最新記事
2024米大統領選

未知数ハリスの一発勝負!テレビ討論でトランプを負かし初の女性大統領になれるか

What to know as Trump, Harris take stage for first presidential debate

2024年9月10日(火)17時19分
アンドリュー・スタントン

討論会のルール

ABCニュースは討論会に先立ち、いくつかのルールを発表した。

まず、9月3日に行われたコイントスにより、演壇の配置と討論会後に行われるスピーチの順番が決まった。コイントスで勝利したトランプが、討論会後のスピーチをハリスの後に行うことを選び、ハリスは視聴者から見て右側の演壇を選択したということだ。討論会開始時のスピーチは行われない。

候補者は、備品や事前に書いたメモを持ち込むことは許されていないが、ペンとメモ用紙、ボトル入りの水1本が用意される。討論のテーマは、事前に候補者には知らされていない。

持ち時間は司会からの質問に対する回答がそれぞれ2分、それに対する反論が2分、補足説明のために1分が与えられる。候補者が発言する際には、もう一方の候補者のマイクはミュートされる。

ハリスとトランプは、互いに質問したり、CM中にスタッフと話をしたりすることはできない。また会場に観客は入らない。

見どころ

今回のテレビ討論会は、トランプとハリスにとって初めての直接対決となる。

ウェブサイトで政策提案を公開しているハリスには、自らの立場についてより明確に説明できるかもしれない。討論会に先立つ数週間でハリスは、移民政策から環境問題に至るまでの多くの問題について、中道寄りにシフトしている。「リベラルすぎる」という懸念を和らげることがその狙いだ。

世論調査によれば、有権者は外交政策や経済政策、移民対策や人工妊娠中絶をめぐる問題を最も重視している。

一方のトランプは、討論会でハリスに対する新たな攻撃を展開することが予想されている。ただし一部の保守派は、黒人でアジア系で女性というハリスのアイデンティティーを攻撃するのはやめるようトランプに警告している。トランプは7月に全米黒人ジャーナリスト協会が開いたイベントで、ハリスが「都合よく黒人になった」と発言して批判を浴びている。

必勝のペンシルベニア州

今回の大統領選で最も重要な州はペンシルベニア州かもしれない。ハリスにとってここは決して負けられない州だ。バイデンが選挙戦から撤退してハリスが民主党の大統領候補になったことで、民主党は勢いを盛り返しているものの、共和党のトランプとの激しい競り合いは続いている。

ペンシルベニア州は、民主党と共和党の支持がほぼ二分されている状態だ。2020年の大統領選ではバイデンが1.2ポイントの差で、2016年の大統領選ではトランプが0.7ポイントの差で勝利を果たしている。ペンシルベニアは中西部の「青い壁(ブルーウォール)」と呼ばれ、伝統的に民主党が強い州の一つであり、民主党にとっては大統領選で勝利するために必ず獲得しなければならない州とされている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

訂正米2月PCE価格+2.5%、予想と一致 消費が

ワールド

米加首脳が電話会談、トランプ氏「生産的」 カーニー

ワールド

ウクライナ、過去の米軍事支援を「ローン」と見なさず

ビジネス

独連銀総裁「過度の楽観禁物」、ECBインフレ目標回
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 8
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 9
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中