最新記事
米大統領戦

共和党の重鎮チェイニー父娘、党内の反トランプ派にカマラ・ハリスへの投票を訴え

Liz Cheney Issues Warning to Anti-Trump Republicans Who Won't Back Harris

2024年9月9日(月)15時53分
ジェイソン・レモン
ディック・チェイニーとリズ・チェイニー

米下院議場に並んで座るディック・チェイニー(中央)と娘のリズ REUTERS/Jonathan Ernst

<「今回の選挙がいかに接戦かを思えば、トランプに投票しないだけでは足りない、ハリスに投票を」と、娘のリズ・チェイニー>

リズ・チェイニー元米下院議員(共和党)は8日、米大統領選でドナルド・トランプ前大統領にも民主党のカマラ・ハリス副大統領にも投票するつもりがないという共和党内の「ダブルヘイター」に対し、それでは「不十分だ」と呼びかけた。

【動画】9月10日は世紀の討論会

リズ・チェイニーはディック・チェイニー元副大統領の娘で、親子ともども筋金入りの共和党保守派だが、いずれも最近、ハリス支持を表明した。リズは以前から── とくに2021年1月6日にトランプ支持者が米連邦議会議事堂を襲撃した事件以降、トランプに公然と批判的な立場を取っている。

チェイニー親子はハリスへの支持表明を別々に行ったが、その中でディックはトランプを「脅威」、リズは「危険」だと述べた。

「私はドナルド・トランプに投票しないだけでなく、カマラ・ハリスに投票する。それはドナルド・トランプが危険をもたらすからだ」と、リズは4日、デューク大学のイベントで学生たちに向かって語った。

またリズは、8日に放映されたABCニュースとのインタビューで、これまで「1度たりとも」民主党候補に票を投じたことのない自分がなぜハリスに投票する決断を下したかについて語った。

「権力のためなら暴力もいとわない」

「ドナルド・トランプは根本的に、アメリカ合衆国への挑戦であり脅威だ。私たちはそれを毎日のように見せつけられている。(トランプは)権力を握り、権力の座にあり続けるためなら暴力の行使もいとわない人間だ」とリズは述べた。

また、トランプにもハリスにも投票しないと考える共和党のダブルヘイターにも呼びかけた。「今回の選挙は接戦だ。消極的支持では不十分だ」とリズは述べた。

「『トランプの代わりに別の人間の名前を書いておこうか』と言っている共和党員はたくさんいる。だがそれだけでは不十分だ。ハリス副大統領に実際に投票するのが重要だ」

トランプは非難の矛先を繰り返しリズに向けてきた。3月には「牢屋に」入れるべきだとまで述べている。ディックがハリス支持を表明した後には、チェイニー親子をソーシャルメディアで批判した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

訂正-米テキサス州のはしか感染20%増、さらに拡大

ワールド

米民主上院議員、トランプ氏に中国との通商関係など見

ワールド

対ウクライナ支援倍増へ、ロシア追加制裁も 欧州同盟

ワールド

ルペン氏に有罪判決、次期大統領選への出馬困難に 仏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    「関税ショック」で米経済にスタグフレーションの兆…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中