サメの襲撃から生還した少女にちなんで名付けられた「ルル法案」が米議会に提出
Jane Karelas -shutterstock-
<サメの襲撃を海水浴客に知らせることを目指す新たな法案が提出された。襲撃を受けた少女の両親は法案可決の重要性を訴える>
米アラバマ州選出のケイティ・ブリット上院議員は、サメの襲撃を海水浴客に知らせることを目指す新たな法案を提出した。子供の誘拐事件などを伝えるアンバーアラートや異常気象警報と同じ仕組みという。
法案は、6月にサメの襲撃から生還したアラバマ州のルル・グリビン(15)にちなんで名付けられた。
共和党のブリットは2023年1月にアラバマ州の上院議員に選出され、同党の女性上院議員としては最年少だ。
2022年の上院議員選挙で、ドナルド・トランプ前大統領の支持を受けて勝利した。今年3月には、ジョー・バイデン大統領の一般教書演説に対する反論演説を行ったが、不評を買った。
アラバマ州マウンテンブルックに住むルルは、フロリダ州のメキシコ湾岸でサメに襲われ、腕と脚の一部を失った。彼女の友人も負傷した。
【動画】米フロリダ州で「サメの襲撃が相次ぎ」15歳少女ら3名が海水浴中に手足を失う重症
この事故が発生する1時間半前に、付近で別のサメに人が襲われる事故が起きており、ルルの両親は、警告システムがあれば2度目の襲撃は防げたと考えている。
フロリダ自然史博物館が運営するデータベース「インターナショナル・シャーク・アタック・ファイル」によれば、2023年には世界でサメと人との接触が120件発生したとされる。
また、同年に人がサメに噛まれた件数は平均を上回っており、そのうち2件の死亡事故を含む36件が米国内で発生した。
「サメ警報」で子供の安全を守る
ブレットが発表した声明によると、「ルル法」と名付けられたこの法案は、連邦緊急事態管理庁(FEMA)が管理するワイヤレス緊急速報(WEA)の既存の枠組みにサメの襲撃を組み込むことを目的としている。
同システムは現在、悪天候やアンバーアラートなどの緊急事態に対して警報を発している。提出された法案では、サメの襲撃も対象に含めることで、州や連邦などの各当局が即座に警告を発することができるようになる。
ルルの両親のアン・ブレアとジョー・グリビンは、「ルルが6月7日のサメの襲撃から生還したことを心から感謝している。ルルはファイターだ。私たちはこれを乗り越え、彼女は新しいライフスタイルに適応していくだろう」と声明で述べた。
「あれはその日2度目の襲撃で、より良い警報システムがあれば防げたかもしれない。ルル法が重要なのはそのためだ。この法案を提出してくれたブリット上院議員に感謝するとともに、子供たちの安全を守りたい私たちのような家族のために、議会はこの法案を可決してほしい」と両親は訴えた。
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