ハリスとオバマのドリームチームで「もしトラ」を阻止せよ
My Election Fantasy
22年6月、ハリス、バイデンと医療政策を話し合うためホワイトハウスを訪れたオバマ LEAH MILLISーREUTERS
<バイデン降ろしの声が高まるなか、民主党幹部のために確実な勝ち筋を考えてみた>
6月27日に行われた米大統領選テレビ討論会では、民主党の指名を確実にしているジョー・バイデン大統領が目を覆うばかりの失態を見せた。民主党幹部は頭を抱えたが、この悪夢を消し去り、素晴らしく魅力的な正副大統領候補を擁立できるアイデアがある。
それは大統領選版ファンタジーゲームのようなもの。ドリームチームが実現する公算は低いが、もし実現したら11月に行われる本選での勝利はほぼ確実だ。
討論会でのバイデンの受け答えは続投を危ぶませるほどひどかった。「たまたま体調が悪かった」という言い訳など通るはずもない。党内からは81歳のバイデンを撤退させ、新たな候補を擁立すべきだとの声も上がった。
もちろん、その道筋は簡単ではない。バイデンは予備選で代議員を十分に獲得し、党大会で指名されることになる。本人が降りると言わない限り降ろせないが、少なくとも今のところ彼も彼の家族も撤退の意思を示していない。
しかもバイデン降ろしを叫んでいる党員の多くは、代わりにカマラ・ハリス副大統領を擁立することには渋い顔をする。3年半副大統領を務めたものの、ハリスはさしたる実績を残しておらず、吸引力もないからだ。
ハリス以外の有力候補としては、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事やミシガン州のグレッチェン・ウィトマー知事らの名前が挙がっている。だが彼らは全米レベルの選挙戦の経験がなく、身体検査が済んでいないから思わぬボロが出かねない。
オバマ3期目もあり得る
では、どうするか。夢のシナリオはこうだ。
まずバイデンが党大会前に大統領職を辞任する。それによりハリスが大統領になる。そしてバラク・オバマ元大統領を副大統領に指名し、このコンビで今年の大統領選に打って出るのだ。
オバマは今も絶大な人気を誇る。党幹部も献金者も一般の人々も、彼の帰還を熱狂的に歓迎するだろう。ハリスとオバマのドリームチームなら本選での勝利はほぼ確実だ。
オバマの副大統領就任は憲法には抵触しない。大統領を務められるのは2期までだが、2期大統領を務めた後に副大統領になることを禁じた規定はない。さらに副大統領になったオバマは、仮にハリスが死ぬか辞任したら、大統領になれる。憲法は2回以上大統領に「選ばれる」ことを禁じているだけで、「後を継ぐ」ことは禁止していないからだ。