最新記事
ウクライナ戦争

ミサイル迎撃の「劇的瞬間」と祝福の雄叫び...「普段着」のウクライナ兵がMANPADSで敵の攻撃を一蹴する衝撃映像

Ukraine Video Shows Soldier Down Russian Cruise Missile with MANPADS

2024年7月16日(火)20時55分
エリー・クック
MANPADS

訓練でMANPADSを使用するウクライナ兵(2023年8月16日、ザポリッジャ地方) Smoliyenko Dmytro/Ukrinform/ABACA via Reuters Connect

<米国製の「スティンガー」や英国製の近距離防空用「スターストリーク」を有効活用するウクライナ>

ウクライナの兵士が、携帯式防空ミサイルシステム「MANPADS」でロシアの巡航ミサイルを迎撃したとみられる動画が公開された。

【動画】ウクライナ兵がMANPADSでロシアの巡航ミサイルを迎撃する瞬間

ウクライナのアントン・ヘラシチェンコ内相顧問らによってオンラインで広く共有された短い不鮮明な動画には、普段着のウクライナ兵が、森林地帯の端のような場所からMANPADSを発射するところが映っているように見える。

ロシアのミサイルが迎撃された模様で数人が祝福の声を上げている。この動画がいつどこで撮影されたかは不明で、本誌は独自に検証できなかった。

ウクライナは米国製の「スティンガー」、英国製の近距離防空用「スターストリーク」など、数種類のMANPADSを供与されており、ロシア軍に対して有効活用している。

米国防総省の文書によれば、アメリカはウクライナ軍に対し、これまでに2000発以上のスティンガーを供給している。

追加供与を約束

MANPADSは多くの場合、1人が肩に乗せてミサイルを発射させる兵器であり、必要に応じて戦場内を容易に移動できる。ウクライナはロシアの戦闘機やヘリコプター、さらにはドローンなどの小さな標的をMANPADSで破壊してきたと述べている。

ウクライナの第36独立海兵旅団は週末、北東部のハルキウ州で、1人の兵士が地対空兵器を肩に乗せ、ロシアの無人偵察機「オルラン10」を迎撃しているように見える動画を共有している。

MANPADSは、さまざまな防空システムから成るウクライナの防空ネットワークの一部を構成している。小口径機関銃やMANPADSが、パトリオット・ミサイルシステムや中高度防空ミサイルシステム「NASAMS」といったはるかに大きなシステムとともに使用されている。

最大の軍事援助国アメリカからの武器を含む最近の支援パッケージは、ウクライナが切望する防空システムに重点が置かれている。絶え間なく行われる破壊的なミサイル攻撃をかわすためだ。

アメリカは今月、ウクライナにパトリオットシステムを追加供与すると約束した。ウクライナは以前からパトリオットシステムの追加を求めていた。

ジョー・バイデン米大統領は先週、ワシントンDCで行われたNATO首脳会合において、アメリカを含む複数の加盟国がウクライナに対して、今後数カ月以内に「数十」の防空システムを供与すると述べた。バイデンによれば、ドイツとルーマニアもパトリオットシステムをウクライナに送る予定で、オランダと「その他の同盟諸国」は新しいパトリオットシステムの稼働に必要な部品を提供するという。

(翻訳:ガリレオ)

20250318issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年3月18日号(3月11日発売)は「日本人が知らない 世界の考古学ニュース33」特集。3Dマッピング、レーダー探査……新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、米のウクライナ停戦案に懐疑的 高官筋が指摘

ワールド

中国商務省がウォルマートと協議、米関税コスト転嫁報

ワールド

ゼレンスキー氏故郷と南部オデーサにミサイル攻撃、少

ビジネス

「ザラ」のインディテックス、24年度10.5%増収
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 3
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「腸の不調」の原因とは?
  • 4
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 5
    スイスで「駅弁」が完売! 欧州で日常になった日本食、…
  • 6
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 7
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 8
    トランプ=マスク独裁は許さない── 米政界左派の重鎮…
  • 9
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 10
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 4
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 5
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 8
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 9
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 10
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中