最新記事
ドイツ経済

ドイツ倒産件数が前年同期比で41%増加...予想大幅に上回る=独紙

2024年7月10日(水)15時15分
ドイツ連邦議会 Bundestag

ドイツ連邦議会 FelixMittermeier-pixaba-

独紙ハンデルスブラットによると、今年上半期に倒産したドイツの中・大企業は162社で、前年同期比41%増加した。インフレ、コスト高、需要減退が要因。

コンサルタント会社ファルケンシュテークの分析では、負債総額は1000万ユーロ(1083万ドル)。

同紙によると、年初時点でのアナリスト予想の30%増を大幅に上回る数字となった。


 

不動産、自動車部品、機械エンジニアリング部門が特に影響を受けている。

倒産が相次いでいる理由としては、パンデミックの余波、インフレ、エネルギー・原材料コストの上昇、需要の減退が挙げられている。世界的な危機、景気見通しの悪さや高金利によって不振企業のリストラや投資がますます魅力を失っているという。

今年上半期に債務超過に陥ったドイツの中堅・大企業の数は、インフレ、コスト上昇、需要減退を理由に、前年同期比で41%増加した。

2024年上半期、売上高1000万ユーロ(1083万ドル)以上の162社が破産を申請したと、ハンデルスブラットは再建コンサルタントのファルケンシュテッグに依頼した分析を引用して報じた。

ハンデルスブラットによると、この数字は年初に再建アナリストが予想していた30%増を大幅に上回るものだという。

不動産会社、自動車部品メーカー、機械エンジニアリング会社などが特に影響を受けているという。

倒産が相次いでいる理由としては、パンデミックの後遺症、インフレ、エネルギー・原材料コストの上昇、需要の減退が挙げられており、世界的な危機、経済見通しの悪さ、高金利によって、リストラや経営不振企業への投資がますます魅力的でなくなっている。

ドイツのDIHK商工会議所は5月、熟練労働者の不足などの構造的問題がヨーロッパ最大の経済に影響を与え続けているため、倒産件数は増加の一途をたどると予想していると述べた。

連邦統計局のデータによると、2023年に企業が申請した倒産件数は前年比22.1%増の1万7814社だった。

(1ドル=0.9236ユーロ)



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 独占取材カンボジア国際詐欺
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 7
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中