中国「浮かぶ原子炉」が南シナ海で波紋を呼ぶ...中国大使館代表が匿名で非難も
中国が開発中の小型原子炉「玲竜1号」 LUO YUNFEIーCHINA NEWS SERVICEーVCGーREUTERS
<安全上の懸念から中止を報じられていた、中国の「浮体式原子炉」配備計画。その推進にフィリピンなど近隣国との緊張感が深刻化。中国はアメリカ非難も>
領有権争いが続く南シナ海で足場を強化すべく、中国が「浮かぶ原子炉」の配備計画を推進している。
船舶搭載型の小型発電所である浮体式原子炉は、中国が南シナ海に建設し、軍事基地化している人工島の電力源になる見込みだ。
中国が計画に着手したのは2016年。南シナ海に最大20基を配備すると発表したが、昨年5月に安全上の懸念から中止したと報じられていた。
浮体式原子炉の配備は地域内対立、特に領有権を争う近隣国との緊張関係を深刻化させている。
「国家安全保障への脅威であり、国益に反する」と、フィリピン国家安全保障会議のジョナサン・マラヤは地元メディアに語った。
洋上原子炉に関して、IAEA(国際原子力機関)は厳格な国際基準を設けて安全性を確保することを求めている。
一方、中国側は6月上旬にアメリカを非難。「核軍縮・不拡散体制を弱体化させる動きをやめるべきだ」と、中国大使館の代表(匿名)がロシア国営タス通信で発言した。