最新記事
事故

韓国、リチウム電池工場で爆発事故 火災により22名が死亡、1人行方不明

2024年6月24日(月)20時01分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
もうもうと煙を立てて燃えるリチウム電池工場

もうもうと煙を立てて燃えるリチウム電池工場 MBN News / YouTube

<ソウル近郊の町にある工場で何が起きたのか?>

韓国京畿道華城市(キョンギドファソンし)にあるリチウム電池工場で24日午前火災が発生し、これまでに死者22名、重軽傷8名という大惨事となった。KBS、YTN、JTBCなど韓国メディアが報じた。

消火活動が出来ない!

火災が発生したのはソウル市から南へ数十キロ離れた華城市の工業団地にあるリチウム電池工場。午前10時31分に工場2階でリチウム電池の完成品を検査して梱包する作業をしている途中、バッテリー1個が爆発するように炎を上げ、火災が発生したという。この爆発音は数キロ先からも聞こえたほどだった。

消防当局は最初の通報から20分で近隣の消防隊全てを動員する体制を取ったが、問題は火災の原因がリチウム電池だったこと。リチウムは水と反応すると激しく反応して水素を発生する。このため今回の火災では直接水を放水しての鎮火活動ができず、工場の2階に積まれているリチウム電池3万5000個がすべて燃え、自ら鎮火するまで待つしかなかったという。

火災当時、この工場では102人が働いていたということだが、1階で作業中だった従業員たちは火災直後に全員自力で避難できた。一方、火災が発生した2階では、多くの従業員が逃げ遅れたとみられ、消防の発表によると22人の遺体が確認された。このうち中国人が18人、韓国人が2人、ラオス人が1人で、残る1人は身元が確認できていないという。

韓国では1989年、全羅南道麗水(チョルラナムド・ヨス)の国家産業団地内のラッキー化学で発生した爆発事故で死者16名と負傷者17名の事故があったが、今回の火災はそれを上回る事故となった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

韓国高官、大統領選前の米との関税交渉決着「理論的に

ビジネス

日産自の業績に下方圧力、米関税が収益性押し下げ=S

ビジネス

NEC、今期の減収増益予想 米関税の動向次第で上振

ビジネス

SMBC日興の1―3月期、26億円の最終赤字 欧州
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 7
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 8
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中