最新記事
ウクライナ戦争

我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車が、平原進むロシアの装甲車2台を「爆破」する決定的瞬間

Two Russian Armored Vehicles 'Destroyed' by US Bradley: Ukraine Video

2024年6月5日(水)15時45分
エリー・クック
ブラッドレー歩兵戦闘車

M2ブラッドレー歩兵戦闘車を使った米軍の訓練(2016年9月、リトアニア・パブラデ) Karolis Kavolelis-Shutterstock

<破壊された車両からは数人の兵士が次々に飛び出し、砲火にさらされながら地面に伏せようとする様子が確認できる>

米国がウクライナに供与したブラッドレー歩兵戦闘車1台が、ウクライナ東部で、ロシア軍の装甲兵員輸送車2台を「破壊した」場面を映した新しい動画が公開された。ウクライナ軍はその直前に、同国東部の前線で激しい戦闘があったことを明らかにしていた。

【動画】平原を進むロシアの装甲車2台が爆破される決定的瞬間

ウクライナ国防軍は2日、第47独立機械化旅団が運用しているブラッドレー歩兵戦闘車がロシア軍の装甲兵員輸送車2台を破壊したと述べた。公開された動画には、平原を進む2台の車両が攻撃を受けている様子が映っている。

少なくとも1回の爆発が生じたあと、破壊された車両から数人の兵士が我先にと逃げ出し、砲火にさらされながら地面に伏せようとしている。空中を飛行するドローンから撮影されたと思われる動画にはこのあと、炎に包まれる装甲兵員輸送車1台が映っている。

米国防総省によれば、ウクライナ軍に対してこれまで供与されたブラッドレー歩兵戦闘車は300台以上だ。ブラッドレー歩兵戦闘車は、25mmの機関砲、同軸の7.62mm機関銃、TOW対戦車ミサイル発射機を備えており、ロシア軍機甲部隊との戦闘に用いられている。

本誌はこの映像を独自に検証することはできず、ロシア国防省に電子メールでコメントを求めた。

激戦地で重宝

第47独立機械化旅団は別のソーシャルメディアへの投稿において、同旅団の偵察機がロシア軍を発見したため、開けた場所に移動するのを待ってから、ブラッドレー歩兵戦闘車に搭載されている25mmの機関砲(チェーンガン)で攻撃したと述べた。

今年1月、第47独立機械化旅団の司令官は本誌に対し、ロシア軍は「戦場でブラッドレー歩兵戦闘車に出くわすと」作戦開始に「おじけづく」と語っていた。西側の専門家らは、前線における最も激しい戦闘に加わってきたブラッドレー歩兵戦闘車について、非常に有益な装備だと評している。

第47独立機械化旅団は米国から供与された戦車「M1エイブラムス」も運用しており、こちらもかなり以前からドネツク州における激しい戦闘用に配備されている。先月にはロシア軍がウクライナ北東部のハルキウ州で新たに攻勢を強めたが、ウクライナ軍はドネツク州で最も激しい衝突があったと報告している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン氏と有権者や報道陣との直接対話拡大、陣営が

ワールド

北朝鮮、新型弾道ミサイル発射実験に成功 超大型弾頭

ビジネス

米国株式市場=上昇、アップル・テスラが高い 祝日控

ビジネス

NY外為市場=ドル/円38年ぶり高値、米債利回り上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVの実力
特集:中国EVの実力
2024年7月 9日号(7/ 2発売)

欧米の包囲網と販売減速に直面した「進撃の中華EV」のリアルな現在地

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「帰ってきた白の王妃」とは?
  • 2
    能登半島地震から半年、メディアが伝えない被災者たちの悲痛な本音と非情な現実
  • 3
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」...滑空爆弾の「超低空」発射で爆撃成功する映像
  • 4
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド…
  • 5
    大統領選討論会で大惨事を演じたバイデンを、民主党…
  • 6
    中国のロケット部品が村落に直撃...SNSで緊迫の瞬間…
  • 7
    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…
  • 8
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…
  • 9
    バイデン大統領の討論会「大失敗」は側近の判断ミス
  • 10
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「帰ってきた白の王妃」とは?
  • 3
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地...2枚の衛星画像が示す「シャヘド136」発射拠点の被害規模
  • 4
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」.…
  • 5
    ミラノ五輪狙う韓国女子フィギュアのイ・ヘイン、セク…
  • 6
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 7
    「大丈夫」...アン王女の容態について、夫ローレンス…
  • 8
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…
  • 9
    衛星画像で発見された米海軍の極秘潜水艇「マンタレ…
  • 10
    貨物コンテナを蜂の巣のように改造した自爆ドローン…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に
  • 3
    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア
  • 4
    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…
  • 5
    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 6
    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は…
  • 7
    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…
  • 8
    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…
  • 9
    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…
  • 10
    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中