最新記事
プライド月間

断って正解? 「自由の女神」姿の米人気歌手が拒否した「バイデンの誘い」

LGBTQ+ Musician Rejects Biden's White House Invite, Issues Demands

2024年6月14日(金)13時44分
アンドリュー・スタントン

「Good Luck, Babe!」の楽曲で知られるローンはLGBTQ+のフォロワーが多い。LGBTQ+の権利を積極的に訴えて、ツアーではドラァグクイーンと並んでパフォーマンスしている。

ローンのコメント動画は、9日夜遅くにX(旧Twitter)で拡散された。この動画は有名ポップカルチャーアカウント@PopBaseに掲載され、10日朝までに25万回再生された。

ただし、Xユーザーの反応は賛否両論だった。ホワイトハウス公演を断ったローンを支持する声がある一方、LGBTQ+にとってはトランプが大統領になる方が悪い状況になると危惧する声もあった。

本誌はローンの広報担当者とホワイトハウスに電子メールでコメントを求めている。

進歩派の評論家で元オハイオ州上院議員のニナ・ターナーは「でかした」とコメント。

活動家のラニア・バトリスは「これこそ連帯。これこそアライシップ。パフォーマンス的なくだらないリップサービスをしている皆さんは注目を! #PermanentCeasefireNOW」と書き込んだ。

ウェブスター大学のコミュニケーション学の教授ドリアン・ハンター・デイビスは「11月の(大統領選)では2つの選択肢がある。プライド月間を認識している男と、認識していない男。それ以外の選択肢を求めても与えられない」と投稿した。

バイデン支持派の人気アカウント@What46HasDoneは「理解不能な言葉の羅列。現政権は米国史上群を抜いてLGBT寄りの大統領だ。もし特定分野で進展がないと彼女が怒っているのなら、共和党に文句を言うべき」と投稿している。

バイデンは任期中にLGBTQ+の権利を支持すると約束。医療における差別防止対策を強化し、LGBTQ+コミュニティを教育現場での性差別を禁じた「タイトル・ナイン」の保護対象とした。

米国のLGBTQ+支援団体ヒューマン・ライツ・キャンペーンによると、バイデンは児童福祉制度の中でLGBTQ+の子供を守るプロジェクトにも取り組んでいるほか、LGBTQ+の若者の心のケアにも力を入れている。

一方のトランプは、LGBTQ+の権利に関して他の共和党の政治家よりも穏健な人物として自らを印象付けようとしており、同性婚について「問題ない」と発言したり、過去にはLGBTQ+のプライドグッズを販売したりしている。

ただトランプは、11月に再選した暁にはトランスジェンダーの若者の性別適合手術を制限する大統領令に署名すると公言している。

大統領時代のトランプは、トランスジェンダーの米軍入隊を禁止して幅広い方面の反発を招いたほか、公立学校に対してトランスジェンダーの生徒の性自認に応じたトイレ使用を求める指導を撤回させていた。

(翻訳:鈴木聖子)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘
  • 4
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 5
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 6
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 7
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 10
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中