インフレも戦争も「全部あいつのせい」...あまりに不人気のバイデンと「裁判無双」のトランプ、勝算はどちら?
最新世論調査では激戦5州でトランプが優勢 FROM LEFT: YURI GRIPASーABACA PRESSーREUTERS, BRIAN SNYDERーREUTERS
<トランプ前大統領の「ポルノ女優裁判」にネガティブキャンペーンを張るバイデン大統領だが、有権者がそっぽを向いている...。バイデンの勝算はあるのか?>
インフレもパレスチナ自治区ガザでの戦争も、悪いのは全部、バイデン米大統領のせい──。
ニューヨーク・タイムズ紙などが米大統領選の激戦州で行った最新世論調査で、有権者が抱く不満が浮かび上がった。その傾向は、特に若年層と非白人層の間で顕著だ。
共和党候補指名が確実視されるトランプ前大統領と、再選を狙う現職のバイデンの一騎打ちの場合、激戦6州のうち5州でバイデンが不利。無所属のロバート・ケネディJr.が加わった三つどもえでも、劣勢は変わらない。
確かに、バイデン陣営の資金は豊富だ。広告に巨額を投じて、ポルノ女優との不倫の隠蔽に絡む改ざん容疑で、トランプが有罪判決を受ける可能性をアピールしている。
だが民主党の楽観論の最大の理由が、ライバルがポルノと結び付いた罪で起訴されているから、というのはどう考えてもおかしい。
世論調査はある時点の動向を捉えたものにすぎないし、大統領選はまだ半年先。それまでに何が起きても不思議はないが......。