「韓国は詐欺大国」の事情とは
「ほとんどの人は信用できる」と回答した韓国人は23%
22年に実施された国際調査で「ほとんどの人は信用できる」と回答した韓国人は世界平均の30%を下回る23%だった。自国民より日本人を信用するという韓国人は多く、日本人を装った詐欺師や詐欺を働く日本人もいる。韓国人相手に気を張っている日本人が日本人に会うと気を許して騙されやすいという人もある。そう話す人も詐欺師まがいのケースがあるが、かくいう筆者も詐欺師に遭ったことがある。
数年前に書籍を出版した際、出版話を持ち込んできた在日3世を名乗る自称エージェントが詐欺師だった。筆者が知らない間に出版契約を結んで印税の半分近くを着服した。警察は韓国の法律上、横領になると話したが複数の韓国人から訴えられていたようだ。日本に逃亡した可能性が濃厚になり捜査が見送られた。
今年2月、ソウル東部地裁は「財閥3世」を装って詐欺行為を行ったチョン・チョンジョ被告に懲役12年の実刑判決を言い渡した。最高裁の量刑基準の上限である懲役10年6か月を上回る重刑だった。チョン被告は大手財閥の後継者だと詐称して「財閥だけが知る投資チャンスを提供する」と嘘をつき、27人から30億7800万ウォン(約3億4800万円)を騙し取った。また著名な女性と婚約していたが、捜査の過程で性別を偽っていたことが判明した。
国や警察と詐欺師のいたちごっこ
「ロマンス詐欺」も増えている。警察が今年2月と3月に受理したロマンス詐欺は185件、被害総額188億ウォンに達している。韓国の金融機関はボイスフィッシング被害者から要請を受けたら直ちに口座を停止しなければならないが、SNSを使った詐欺は対象外で、国会で対策が審議されている。
冒頭で書いたチョンセ詐欺の新たな手口が現れた。相場より安価な不動産を相場通りの保証金で賃貸して逆鞘を得る「ギャップ詐欺」で、ソウル警察は5月2日、首都圏で110億ウォンを荒稼ぎした組織の構成員や関わった不動産業者など119人を検挙した。
取締りを強化すると新手の詐欺が誕生し、法律を作っても新手の詐欺が誕生する。国や警察と詐欺師のいたちごっこが終わることはない。
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