ウクライナ軍、長距離ミサイルATACMSでクリミア大橋の攻撃を計画? レーダー撹乱用の米製デコイも使用
Crimea rocked by explosions as bridge shut: reports
プーチンの大統領就任式(5月7日)までにATACMSで再びクリミア大橋を襲う?(橋が大きく損傷した2022年10月の攻撃) Guardian News/YouTube
<4月末にもアメリカから供与を受けたばかりの長距離ミサイル「ATACMS」がクリミア半島に飛来、橋は一時通行止めに>
ウクライナ軍が先週、アメリカから供与を受けたばかりの長距離ミサイルATACMS(最大射程300キロ)を使って、ロシアが2014年に一方的に併合したクリミア半島を攻撃。これにより、ロシア本土とクリミア半島を結ぶクリミア大橋が一時的に通行停止となった。
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クリミア大橋に関する交通情報を定期的に更新しているテレグラムのチャンネルが、4月30日午前1時25分に「クリミア大橋は一時的に車両通行止めとなっている」との情報を投稿した。その後、通行止めは解除された。ロシア国防省は、6発のATACMSを迎撃したと発表した。
道路橋と鉄道橋が並行する全長約19キロメートルのクリミア大橋は、ロシア軍の重要な補給路として利用されており、ロシア軍がウクライナ南部で攻勢を維持する上できわめて重要な存在だ。クリミア奪還を目指すウクライナ側は2022年10月と2023年7月にこのクリミア大橋を攻撃しており、今後も攻撃を行うと宣言している。
ロシア軍が占拠しているウクライナ南部ザポリッジャで活動する親ロシア団体「We Are Together With Russia(我々はロシアと共にある)」の代表で軍事ブロガーのウラジーミル・ロゴフはテレグラムに投稿を行い、ウクライナ軍が4月29日の夜間にクリミア半島に向けてATACMSを発射したと述べた。
「ウクライナ軍が今夜、クリミア共和国に向けてミサイルを発射した」とロゴフは投稿し、さらにこう続けた。「クリミア半島の上空で、ロシア軍の防空システムが作動した。最新情報によれば、我々の防空システムは素晴らしい仕事をした」
米国製のデコイでレーダー撹乱か
ロゴフはさらに、ウクライナ軍は「平和なクリミア半島を攻撃するために、複数のATACMSを発射した」と主張。「この攻撃に先立ってクリミア半島に警報が出され、クリミア大橋が封鎖された」と述べ、「現在は橋の通行は再開されている」とつけ加えた。
ロシアとウクライナの戦争に関する最新情報を提供しているロシアのテレグラムチャンネル「SHOT」は、ロシア航空宇宙軍が運用する飛行場があるクリミア半島のシンフェロポリとジャンコイで爆発音がしたと報じた。
本誌はこの件についてロシアとウクライナの当局にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。
ロシアの軍事ブロガーの間では、ウクライナ軍がクリミア大橋の攻撃を準備しているのではないか、との危惧が高まっている。
ロシア国防省とつながりのあるテレグラムチャンネル「Rybar(リバル)」は4月下旬、ウクライナ軍がクリミア半島への新たな攻撃の準備として、ロシア軍の防空システムとレーダーをかく乱するために、電子妨害能力を持つ米国製ADM-160B MALD(ミニチュア空中発射デコイ)ミサイルを発射した可能性があると伝えた。