NewJeansミンジが選挙広報に出演した韓国総選挙 投票所での長ネギが与党を惨敗させた?
NewJeansのメンバーで最年長のミンジが起用された選挙広報 중앙선거관리위원회 / YouTube
<与党の惨敗に終わった韓国総選挙。その要因は意外にも──>
4月10日、韓国では第22代総選挙が行われ、結果は与党・国民の力が惨敗、野党・共に民主党が過半数を確保するという結果になった。
さて、今回の総選挙では事前投票の期間も含めて、投票所に持ち込み禁止とされた物がいくつもあったという。韓国メディア、韓国日報、マイデイリーなどが伝えた。
選挙戦の焦点は......長ネギ!?
ユン・ソクヨル大統領に対する中間評価とも言われる今回の総選挙は、与党・国民の力と国会で多数派の最大野党・共に民主党が、各種世論調査で支持率が拮抗する形で選挙戦が展開され、各党の選挙活動は日に日に激しさを増していた。そんな中で、相手側の揚げ足とりともいえる攻防も展開された。
一番議論になったのがユン大統領の長ネギ発言だ。これはユン大統領が3月にスーパーを訪れた際、「長ネギ1束が875ウォンなら合理的」と発言(通常は2000〜3000ウォンはする)したことで、大統領は物価についてまるで知らないと猛反発を受けたのだ。共に民主党はこの問題を総選挙で攻撃材料として取り上げ、事前投票でまさかの戦術に打って出た。候補者や選挙戦スタッフが事前投票所での投票時に、長ネギを持ち込んで、与党の問題をアピールしたのだ。
与党はすぐさま中央選挙管理委員会に抗議し、これをうけて選管では「長ネギを政治的表現物」と見なし、投票所への持ち込みを制限し外部に保管するよう各選管に通知。これがまた論争を呼び起こすようになった。
これに対して共に民主党の支持者は、見える形での長ネギ持ち込みは止めたものの、長ネギをタッセルのようにしてバッグに付けたり、透明なビニール製のバッグにしのばせたりして、投票所入り口で認証ショットを撮影。与党攻撃の手を緩めることはなかった。
相手政党への攻撃に終始、政策論争は二の次に
もちろん、与党も黙っていなかった。ハン·ドンフン(韓東勳)非常対策委員長が「日本製シャンプー、偽造された表彰状、法人カード、女優の写真を持って投票場に行ってもいいか」と発言。これらは共に民主党のイ・ジェミョン代表と祖国革新党のチョ・グク代表のスキャンダルに関連したアイテムだった。
一連の騒動について中央選挙管理委員会のチョ·ドンジン報道官は10日、あるメディアに出演して「本投票でも長ネギなど持って投票所に入場するのは難しいのか」の質問に、「事前投票と同じ基準が適用される。投票立ち会い人が所持目的をいちいち確認できないため、秩序維持のため物品を外に置いて出入りするように案内している」と明らかにした。
こうした一連の騒動がどこまで影響したのかは不明だが、総選挙の結果は野党の圧勝に終わった。開票率約98%の11日午前5時時点で、最大野党の共に民主党は小選挙区(254議席)で過半数の161議席を確保。さらに共に民主連合、祖国革新党などの他の革新系野党を加えると191議席になり、定数300議席の国会で圧倒的多数を確保した。
11日朝、選挙結果を受けてユン大統領は「総選挙で示された国民の意思を謙虚に受け入れ国政を刷新し、経済と民生安定のために最善を尽くす」とのコメントを発表した。