米下院、950億ドルのウクライナ・イスラエル支援法案可決 TikTok禁止警告も

米下院は20日、ウクライナ、イスラエル、台湾への安全保障支援を目的とした950億ドル規模の法案パッケージを超党派で可決した(2024年 ロイター/Ken Cedeno)
米下院は20日、ウクライナ、イスラエル、台湾への安全保障支援を目的とした950億ドル規模の法案パッケージを超党派で可決した。多数派の共和党は、強硬派が反対したものの押し切った。
法案は上院に送られる。民主党が多数を占める上院は2カ月以上前に同様の法案を可決しており、23日に審議を開始する。その週内に通過が見込まれ、バイデン大統領の署名を経て成立する運びだ。
法案はウクライナ支援に608億4000万ドル(米国の武器・在庫・設備の補充向け230億ドルを含む)、イスラエル向けに260億ドル(人道支援91億ドルを含む)、台湾を含むインド太平洋地域に81億2000万ドルを拠出する内容。
ウクライナのゼレンスキー大統領は謝意を示し、この支援は人命を救い、ロシアとの戦争に「正当な終結をもたらす」と述べた。
ウクライナのシュミハリ首相は、米国が没収するロシア資産についてウクライナ復興資金としての活用が承認されたことに感謝の意を表した。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は、米国によるウクライナ支援は紛争における被害と死者をさらに増やすことになると指摘。凍結ロシア資産のウクライナへの移転にも反発し、報復措置を取ることになると述べた。
ウクライナ支援の採決は311対112で可決された。共和党議員は112人が反対し、賛成は101人にとどまった。
ホワイトハウス筋によると、バイデン政権は既にウクライナの戦場でのニーズに応える次の支援をまとめており、今回の法案が成立した後すぐに新たな措置を発表できるという。
一方、イスラエル支援は366対58で可決されたが、民主党議員37人、共和党議員21人が反対した。
また、今回のパッケージには中国系動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」禁止を警告する内容も盛り込まれた。


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