最新記事
ウクライナ戦争

新しくロシア人義勇軍に加わった「シベリア大隊」は、プーチン体制下で地獄を味わってきた

Russian Defectors Tell Putin to Evacuate Belgorod: 'Forced to Inflict Fire'

2024年3月14日(木)16時12分
イザベル・バンブルーゲン

「モスクワから50キロ程先まで行けば、ロシアの本当の姿が分かる」と話すのは「ブリヤート」と名乗る戦闘員だ。「(地方の)暮らしは酷いものだ。何もかもボロボロで、誰もが補助金頼みで生活している。われわれの共和国は本来はとても豊かなんだ......金鉱もありヒスイも採れるし、森林資源もある。だが資源は全てモスクワのもの。われわれは彼らから施しを受けるしかない!」

ロシアのウクライナ侵攻は「恥ずべきことだと思った」と、ブリヤートは言う。

 

「自分は(侵攻に)一切関わりたくなかった。国を出ようと決め、最初はアルメニア、次にジョージアに向かったが、(ウクライナに)行って、共に戦おうと覚悟を決めた。鏡に映った自分に『俺はやった』と言えるように。戦争に加担しないだけでなく、それに反対する人たちをこの手で助けた、と」

バルガンも、「ロシアで動員が始まったとき、最初はモンゴル、次にトルコに向かったが、最終的にウクライナ行きを決意した」と話す。「クレムリンは世界中をめちゃくちゃにしようとしている。俺たちの力で何とかして止めないと」

住民に避難を呼びかける

越境攻撃を行ったロシア人義勇兵の3つの組織は3月13日、ウクライナと国境を接するロシア南西部のベルゴロド州の住民に避難を呼びかける合同声明を出した。

「プーチンの殺人部隊は、あなたがたの家や子供たちが通う学校、役所の建物がある地域に陣取って、人々がただ静かに暮らしてきたウクライナの諸都市に大規模攻撃を仕掛けている」と、声明は訴える。

「ベルゴロドからの砲撃で、罪のないウクライナの民間人が日々何十人も死んでいる。その大半は女性と子供だ。ベルゴロドからのウクライナへの砲撃は、何としてもやめさせなければならない!」そう述べた上で、声明はこう続ける。「そのために、われわれはベルゴロドにある軍事拠点をたたかざるを得ない。どうか直ちに町から出てほしい」

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中