ガザ南部のナセル病院が機能停止、燃料不足やイスラエル軍突入で

2月18日、パレスチナ自治区ガザで2番目に大きい南部のナセル病院が、完全に機能を停止した。写真はガザ最南部ラファで、並べられた遺体を前に涙を流す人々(2024年 ロイター/Mohammed Salem)
パレスチナ自治区ガザで2番目に大きい南部のナセル病院が18日、完全に機能を停止した。地元当局や世界保健機関(WHO)などが明らかにした。
イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が続き、燃料や各種物資の不足が深刻化した上に、病院にイスラエル軍が直接突入し、治療に当たるスタッフ多数が拘束されたという。
イスラエル軍は、数百人規模のハマスの戦闘員がナセル病院に潜み、その一部は医療従事者のふりをしていたと説明。そこで人質用としてイスラエルから医薬品とともに搬入されたとする武器の映像などを公開した。
一方、ハマス側はこうした主張を否定し、イスラエルがガザの医療システムを破壊するための口実に過ぎないと反論している。
ガザの保健当局者は、病院には引き続き戦火で傷ついたり、健康状態が悪化したりした患者たちが逃げ込んできているものの、治療に使える電力はなく、人員も満足にそろっていないと苦境を訴えた。
WHOはイスラエルに対して、医療従事者が病院に行くのを認めるとともに、治療の妨げになっている軍による病院の捜索や突入をやめるよう求めている。


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