最新記事
ガザ侵攻

ガザ南部のナセル病院が機能停止、燃料不足やイスラエル軍突入で

2024年2月19日(月)11時17分
ロイター

2月18日、パレスチナ自治区ガザで2番目に大きい南部のナセル病院が、完全に機能を停止した。写真はガザ最南部ラファで、並べられた遺体を前に涙を流す人々(2024年 ロイター/Mohammed Salem)

パレスチナ自治区ガザで2番目に大きい南部のナセル病院が18日、完全に機能を停止した。地元当局や世界保健機関(WHO)などが明らかにした。

イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が続き、燃料や各種物資の不足が深刻化した上に、病院にイスラエル軍が直接突入し、治療に当たるスタッフ多数が拘束されたという。

 

イスラエル軍は、数百人規模のハマスの戦闘員がナセル病院に潜み、その一部は医療従事者のふりをしていたと説明。そこで人質用としてイスラエルから医薬品とともに搬入されたとする武器の映像などを公開した。

一方、ハマス側はこうした主張を否定し、イスラエルがガザの医療システムを破壊するための口実に過ぎないと反論している。

ガザの保健当局者は、病院には引き続き戦火で傷ついたり、健康状態が悪化したりした患者たちが逃げ込んできているものの、治療に使える電力はなく、人員も満足にそろっていないと苦境を訴えた。

WHOはイスラエルに対して、医療従事者が病院に行くのを認めるとともに、治療の妨げになっている軍による病院の捜索や突入をやめるよう求めている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250204issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月4日号(1月28日発売)は「トランプ革命」特集。大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で、世界はこう変わる


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国務長官、中米5カ国歴訪へ 移民問題など協議

ワールド

EU、ガザ・エジプト国境管理支援再開 ラファに要員

ビジネス

政策金利、今年半ばまでに中立金利到達へ ECB当局

ビジネス

米四半期定例入札、発行額据え置きを予想 増額時期に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 7
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 8
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 9
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中