最新記事
ロシア軍

年代物にもほどがある!ロシア軍の骨董さながらの装備写真に愛国者が激怒

Russians Fume over 19th-Century Machine Guns, WW1 Rifles in Ukraine

2024年2月7日(水)18時15分
エリー・クック
バンパイア攻撃ドローンを飛ばそうとするウクライナ兵

バンパイア攻撃ドローンを飛ばそうとするウクライナ兵。武器や弾薬ではウクライナもまた不足に苦しんでいる(2月2日、ザポリージャ) (Photo by Dmytro Smolienko/Ukrinform/Sipa USA)

<19世紀の機関銃や第一次大戦時のライフルなど、ロシア軍は骨董並みに古い武器を博物館から引っ張り出してウクライナの戦闘に使い始めた>

ウクライナ侵攻開始からほぼ2年、ロシア軍とウクライナ軍の攻防は兵器の消耗戦と化すなか、ロシア軍は骨董品並みの古い兵器を投入している、とロシアの有力な軍事評論家は言う。

■遂に帝政ロシアまでタイムスリップしたロシア軍の惨めな装備品

ウクライナが西側同盟国に武器や弾薬の追加供与を求め続ける一方、戦争を積極的に支援するロシア人たちは、ロシア軍にもウクライナと同レベルの武器や弾薬を調達すべきだと呼びかけており、その声は日毎に大きくなっている。

 

帝政ロシア時代の重機関銃や「第一次世界大戦当時のライフル銃」の画像は、ウクライナ侵攻を支持するロシア人の間に反発を引き起こした。その多くは親プーチン派で、来たる大統領選挙でもプーチン支持層の中核を形成している。

クリミア侵攻当時から10年ウクライナで戦ってきたと主張する親ロシア派の兵士や軍事ブロガーのテレグラム・チャンネルによると、「ロシア軍は支給するものがなくなると、時代遅れの武器を使わせる」のが常。交換部品を入手できなくなる危機が迫っている、と述べた。

第一次大戦の兵器

親プーチン派の著名な軍事アナリスト、ロスチスラフ・モクレンコは最近、ロシア軍は、第二次世界大戦の開始時点で「絶望的に時代遅れ」だった第一次世界大戦時のデグチャレフ機関銃や、1884年に発明されたマキシム機関銃を使った前例を指摘する。

「ウクライナ軍と戦うロシア軍の兵士たちから、これらの古い武器を渡されたという話を聞いている」と、ロシアの愛国軍事ブロガー、「トパーズ」はテレグラムに書いた。「冗談じゃない。ウクライナ東部ドンパスでロシアが優勢だった2014年の戦いでは、1940年代のPTRD対戦車ライフルや1890年代のモシン・ナガント・ライフル、SKSセルフローディングカービンなどが盛んに使われた。だが、今は時代が違うし、機関銃の不足は早急に何とかしなければならない」

ウクライナ全土で繰り広げられた2年近い今回の戦争は、多大な人命の損失ももたらしたが、同時に小火器を含む大量の武器も犠牲となった。

ロシア、ウクライナともに旧式の武器を使用しているが、古いからといって必ずしもそれだけで有効性が低下するわけではない。

「ある種の兵器は、非常に長い間使用されることがある。殺傷能力が変わらずに残るからだ」と、アメリカのシンクタンク、米海軍分析センターのサミュエル・ベンデットは指摘する。戦争の根本的な原理や戦術が変わらなければ、何十年も前の兵器が今も通用することはあるという。

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中