動物保護施設でクマに餌やり中の男性、嚙まれた腕を檻から引き抜けず、ナイフで自ら腕を切り落とす
Man Cuts Off Arm to Escape Caged Bear Attack
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<タイにある野生動物保護施設で、檻の中のクマにかみつかれたスイス人男性は腕を引き抜くことができなかった>
スイスからタイに来ていたボランティアの男性がクマに襲われ、噛まれた腕を引き離すことができなかったため、自ら腕を切り落とすという出来事があった。地元メディアはこの時の男性の様子を掲載し、その後は病院に移送されたと報じている。
■【写真】閲覧注意:嚙まれた腕を自らナイフで切り落とし...クマに襲われた男性、「クマを傷つけたくなかった」
事件が起きたのは、タイ北部のチェンマイにある野生動物保護施設。ステファン・クラウディオ=スペコーニャ(32歳)が檻の外からツキノワグマ(アジアクロクマ)に餌をやっていたところ、クマが右腕にかみついてきたという。
バンコク・ポストによれば、クラウディオ=スペコーニャはかまれた腕を引き抜くことができなかった。一方で彼は「クマを傷つけたくはないと考えた」ため、ポケットナイフを取り出し、かみ砕かれた自分の前腕を切り落としたという。
その後、居合わせた人々に応急処置を施され、近くのチェンダオ病院に急行した。その後、転院して手術を受けたが、切り落とした腕を再縫合できるかどうかについては不明だ。
ワン・ニュースはフェイスブックで、「(クラウディオ=スペコーニャは、)肘から先が切り取られた状態でチェンダオ病院に運ばれた。そして最近、手術のためにチェンマイ中心部の私立病院に移送された」と伝え、クラウディオ=スペコーニャとクマの画像を共有している。
ツキノワグマは森林伐採や密猟により減少中
アジアクロクマとも呼ばれるツキノワグマは、東アジア、東南アジア、インド、ヒマラヤ山脈に生息している。体はヒグマに似ているが、オスの体重は135キロ前後だ。クマの中で最も二足歩行がうまく、後ろ足で400メートルほど歩くことができる。
森林伐採や密猟によって個体数が減少しており、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。密猟の主な目的は、毛皮と、伝統薬の材料になる胆のうだ。胆のうから胆汁を得るために「胆汁農場」でクマを飼育することもあり、これは動物愛護団体によって非人道的な行為と見なされている。
ツキノワグマは臆病な性格とされるが、ヒグマやアメリカグマよりも人に対して攻撃的だという特徴もある。野生のツキノワグマは、多くの場合、人と接近したときや突然遭遇したときに、人を襲ったり殺したりしている。攻撃の際には、まず人を殴り倒したうえで、後ろ足で立ち上がり、人の四肢や頭部にかみつく。
豪クイーンズランド大学の上級講師で、畜産学を専門とするエドワード・ナラヤンは本誌の取材に対し、「ツキノワグマは本来、トラなどの捕食者と同じ環境に生息しているため、野生では、捕食者の攻撃から身を守る手段として攻撃性を示すことがある」と説明する。