中国情報機関が摘発した、MI6のスパイ「ホアン」の正体とは?
情報当局は欧米のスパイへの警戒を強めている GETTY IMAGES
<イギリス国籍でも中国籍でもない、MI6のスパイを摘発したと中国の情報機関が発表。それ以上の情報は出されていないが、欧米と中国のスパイ摘発合戦は続く>
中国の情報機関、国家安全省がMI6(英国情報部国外部門)のスパイを摘発した。
同省が1月8日に行った発表によれば、問題の人物は外国籍で、姓は「ホアン」。外国コンサルティング会社の現地代表で、MI6から訓練・機器提供を受け、中国で情報収集活動をしていたと、チャットアプリ微信(ウェイシン)の公式アカウントへの投稿で説明している。
ホアンは2015年にMI6と関係を結び、イギリスなどで専門訓練を受けたという。「諜報活動に従事していた証拠を即座に発見」し、「刑事的強制措置」に踏み切ったと、同省は投稿で述べている。
中国情報当局は、過去や現在のスパイ事例を戦略的に公開している。習近平(シー・チンピン)国家主席が掲げる安全保障の高度化路線に即した啓発活動だ。
一方、CIAは先頃、中国で諜報員ネットワークを再構築中だと明らかにした。
中国と欧米で相互のスパイ摘発が続くなか、ホアン事件は情報活動分野での両陣営の対立を一層浮き彫りにしている。