台湾総統選への「工作活動」に余念がない中国...「あの手この手」6つの手口とその影響は?
2024年1月9日(火)14時45分
野党第2党の民衆党は昨年8月、党創設者で総統候補の柯文哲(コー・ウェンチョー)が、民進党の総裁候補・頼清徳(ライ・チントー)副総統の外遊途中のアメリカ立ち寄りを批判したとされる録音の「粗雑で実にひどい」改ざんについて、捜査当局に文書を提出した。
■SNSの偽情報
INDSRの王によると、中国はYouTubeやフェイスブック、TikTok(ティックトック)などのソーシャルメディアを活用し、自分たちに有利なメッセージを詰め込んだ動画を大量に流しているという。
台北に拠点を置くNGOダブルシンク・ラボのティム・ニーブンは、台湾への世論工作は「現地の協力者や極端な親中派の声を増幅させる」ものが多いと本誌に語る。
昨年2月にはバイデン米大統領が「台湾の破壊」を図っているとされる偽の発言が、親中派のインフルエンサーや元国民党議員の手でフェイスブック上に拡散された。
選挙前の残り数日は、「さらに派手な事件」が起こる可能性があると、ニーブンは言う。
「投票日が近づけば、(こうした工作は)より効果的になる可能性が高い。政府や市民社会が調べて対応する時間が少なくなるからだ」