韓国国会「犬食禁止法」を可決成立 それでも犬たちの悲劇は続く?
法律の実効性に疑問の声も
こうして成立した法律だが、はやくも実効性に疑問の声が投げかけられている。
その理由の一つが施行されるまでに3年間の猶予措置がとられたことだ。もちろん、この3年の間に政府は法律の広報活動を行って、関連事業者に転廃業を促すなどの働きかけをすると見られるが、当然ながらその3年間はこれまで同様に犬食を提供することは何らおとがめなしの状態が続くわけだ。
また、今回の法律では業務としての犬食用屠畜や繁殖、流通が禁じられたが、個人的に犬食をすることまでは禁じてはいないため、闇ルートでの犬食はなくならないのではないかという指摘も出ている。事実、これまでにも「補身湯(ポシンタン)」はソウルオリンピックのときに法的には禁止されたものの、さまざまな法律上の隙間を縫って現在まで営業が続けられてきたわけで、今回の法律でも、同様のことが起きるだろうという声があがっている。
「食用」でなくなる犬たちを待つものは......
また、仮に法律がうまく機能したとしても問題が残っている。犬食用に犬を繁殖させてきた業者たちが廃業する場合、すでにいる犬たちをどうするのか、という点だ。
基本的にはこれらの犬たちは動物保護センターに送られることが予想されるが、現状でもこれらの施設は飽和状態になっており、新しくきた犬たちは行き場もなく安楽死をせざるを得ないのではないか、という指摘が出ている。
法律はできたものの、まだまだ課題は山積みの状態といえそうだ。