最新記事
注目ニュースを動画で解説

「象徴」だったのになぜ...人口の8割が車を買えないアメリカの現実【アニメで解説】

2024年1月31日(水)14時55分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
車を買えないアメリカ人

Newsweek Japan-YouTube

<新車も中古車も価格高騰。そもそも「高級でない車」が市場から姿を消した。その理由を解説したアニメーション動画の内容を一部紹介する>

アメリカンライフの象徴だったはずの車が、今や人口の8割にとって手が届かない存在になっている。一体どうしてこうなってしまったのか──。

本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「年収10万ドルの壁...「アメリカ人の8割」が車を買えない理由とは?【アニメで解説】」の内容をダイジェスト的に紹介する。

 
◇ ◇ ◇

アメリカ人にとって車はただ必要なだけでなく、自由や自立、時には抵抗のシンボルになることもあった。その車が今日、人々にとって縁遠い存在になりつつある。

新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、生活費は全体的に高騰。車にかかる諸費用や自動車保険、修理費用なども上がったことが原因にある。

nwyt0131_2.jpg

自動車業界はサプライチェーンの混乱や半導体不足などの問題に見舞われ、新車価格も中古車価格も史上最高にまで高騰した。

車の購入をサポートするAIアプリ「CoPilot」のデータによれば、2020年以降に新車価格は30%、中古車価格は38%高騰している。いま販売されている車で価格が3万ドルを下回るのは、全体のわずか10%だという。

nwyt0131_5.jpg

金融関連ニュースサイト「MarketWatch」の2023年10月のリポートによれば、アメリカ人が車を買うのに必要な年収は最低で10万ドル。国際調査のデータに照らせば、アメリカの世帯の60%が「新車を買えない」状態にある。個人ベースではより深刻で、全体の82%が年収10万ドルに満たない。

nwyt0131_6.jpg

アメリカに手頃な価格の自動車が存在しないように見える要因は、パンデミックの混乱以外にもある。

自動車情報サイト「エドマンズ」のアナリスト、ジョセフ・ユンは「過去10年ぐらいで消費者の嗜好も大幅に変化した。より大型のSUVなどが好まれるようになり、カメラやセンサー、レーダーや大型画面などを求める傾向が強まっている」と述べている。

各自動車メーカーが小型で安価な車の生産量を減らし、SUVやトラックなどより高額な車の生産に重点を置くようになったことも「高級でない車」が市場から消えた原因の一つといえる。

nwyt0131_8.jpg

■より詳しい内容については動画をご覧ください。

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中