F16は既にウクライナに到着している!?──最近の相次ぐロシア軍用機撃墜もF16だった可能性がある
Ukraine F-16 Speculation Mounts as Russia Loses 8 Fighter Jets in 3 Weeks
米軍第52戦闘航空団 のF16(ドイツのシュパングダーレム空軍基地が本拠、写真は2000年)clh/HO/U.S. Air Force photo by Senior Master Sgt.
<西側は、新兵器の引き渡しをいちいち公表して敵に知らせない知恵を学んだのかもしれない。もし本当に到着したのなら、F16は膠着状態の戦況に大きな波乱をもたらしそうだ>
西側が供与するF16戦闘機の一部は、既にウクライナに到着している可能性があることが本誌の取材で分かった。実際、このところウクライナ空軍はロシア軍の戦闘機や爆撃機を相次いで撃墜、ロシア軍が支配してきたクリミア半島の軍港にも空爆を加えるなど、にわかに存在感を増している。
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西側諸国はウクライナ側の熱心な働きかけに応じ、自国が保有するアメリカ製の最新鋭の戦闘機F16の供与を何カ月も前から約束してきたが、はっきりした引き渡しの日程は今も発表されていない。
ロシアに圧倒的な航空優勢を取られた今の状況を逆転させ、ロシア側の主要なターゲットを狙い撃ちにするにはF16の供与が必要だと、ウクライナ政府は西側に必死に訴えてきた。ウクライナ軍はこれまでソ連時代の旧式な戦闘機でNATO標準のミサイルや爆弾を投下してきたが、現代的な航空電子工学システムとレーダーを備えたF16を使えば、空からの攻撃の精度が格段に上がる。
メッセージアプリのテレグラムで戦況分析を流しているロシアの軍事アナリストらは、ウクライナ空軍は既に数機のF16を飛ばしているようだと盛んに警告しているが、それが事実かどうかは確認できていない。
アメリカの情報筋が12月27日、ウクライナに供与されるF16の第1波は既に到着した可能性があると、本誌に語った。これについて本誌はウクライナ軍にメールで確認中だ。
姿を見せないF16
ロシアはこの3週間に8機の戦闘機を失ったと伝えられている。事実であれば、ロシア空軍にとっては大打撃だ。
ウクライナ軍は12月5日、ルーマニアに隣接する自国の南部の沿岸から50キロほど沖合にある黒海の前哨基地、ズミイヌイ島(英名スネーク島)の上空でロシア軍機1機を撃墜したと発表した。
その12日後、ウクライナ軍がロシアの空軍基地を攻撃し、戦闘爆撃機スホーイSu34を1機破壊したと、ウクライナのメディアが伝えた。それとは別にウクライナ空軍は同日、ロシア軍の攻撃により、自軍の戦術爆撃機Su25が1機、破壊されたと発表した。
さらに12月22日、ウクライナ軍は新たに3機、ロシア軍のSu34を撃墜したと発表。クリスマスイブにも、ロシア軍のSu 30と34をそれぞれ1機撃墜したと述べた。
12月26日早朝、ウクライナ軍はクリミアの港湾を空爆、ロシア軍の大型揚陸艦「ノボチェルカスク」に損傷を与えた。メッセージアプリ「テレグラム」の親ロシア派や反ウクライナ派の複数のチャンネルが、この攻撃ではウクライナ軍はF16から巡航ミサイルを発射したとみられると分析し、F16の供与がロシア軍に及ぼす脅威について盛んに論じ始めた。