金正恩「核爆弾使用も含めいかなる攻撃にも対応する準備を」 北朝鮮、2024年は偵察衛星3基打ち上げへ
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、5日間にわたる党中央委員会拡大総会の締めくくりにあたり「韓国全土の平和」に向け、必要なら核爆弾使用も含め、いかなる攻撃にも対応する準備を軍に命じた。KCNA - REUTERS
北朝鮮は、2024年に偵察衛星を新たに3基打ち上げるほか、軍事用ドローン製造、核・ミサイル戦力の強化、潜水艦や電子戦能力増強などの方針を示した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が31日報じた。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、5日間にわたる党中央委員会拡大総会の締めくくりにあたり、来年の経済、軍事、外交政策方針を説明。「敵がわれわれを侵略しようとする無謀な動きにより、朝鮮半島でいつでも戦争が起こり得ることは既成事実となっている」と指摘。「韓国全土の平和」に向け、必要なら核爆弾使用も含め、いかなる攻撃にも対応する準備を軍に命じた。
11月の米大統領選挙に向けて北朝鮮は、軍事的な圧力を継続して影響力の確保を狙うとみられている。梨花女子大学(ソウル)のレイフエリック・イーザリ教授は、「挑発行為で米国の次期政権から何を得られるか見極めようとしている可能性がある」と述べた。
米国は韓国との軍事演習拡大や核兵器搭載の潜水艦配備を進めているが、金総書記はこのような兵器配備を見過ごすことはできないとし、韓国は米国の「軍事前方基地と核兵器庫」へと完全に変貌したと語った。
その上で、「敵の対決的な軍事行動を見れば、戦争という言葉は抽象的概念ではなく現実になっている」とし、核開発を推し進め、米国に対抗する国々とより深い関係を築くしかないとの認識を示した。
韓国との統一の可能性を排除し、韓国に対する方針と方向性を根本的に変えなければならないとも述べ、韓国は国防と安全保障で完全に米国に依存する植民地化された国だと非難した。
また、金属、化学、電力、機械、鉄道輸送などの面で経済を支援し、小麦施設を近代化して生産量を増強すると確約した。重要な政策目標の一つとして教育機関での科学技術研究への投資を挙げた。
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