最新記事
中東

イスラエル軍、ガザ攻撃激化も人質救出に失敗 ハマス幹部ら200人超拘束、数十人を半裸にして詰め込む

2023年12月9日(土)12時14分
ロイター

ハマス戦闘員を下着姿で路上に座らせる

イスラム組織ハマスの当局者は8日、パレスチナ自治区ガザで拘束されたとされる数十人のパレスチナ人男性が下着姿で路上に並ばされている画像がソーシャル・メディアで拡散されたことを受け、イスラエル軍は「罪のない民間人に対する凶悪犯罪」を行っていると非難した。

イスラエルのテレビ局は7日、ハマスの戦闘員を捕らえたとする映像を放映。映像には、下着姿で頭を下げてガザ市の路上に座らされている様子が映っている。

このほか、イスラエル兵が見守る中、20人を超える男性が歩道や路上にひざまずかされている様子や、トラックの荷台に半裸の男性らが詰め込まれている様子が写った写真なども拡散している。

ロンドンに拠点を置くアラビア語ニュースメディア、アルアラビ・アルジャディードは、自社の特派員が拘束されたと表明。ジャーナリスト保護委員会(CPJ)はこの記者の解放を求めている。

ハマス当局者のイザット・エル・レシク氏は、国際人権団体に対し拘束された男性らの解放に向け介入するよう要請。赤十字国際委員会(ICRC)は、この映像を憂慮するとし、全ての拘束者は国際人道法に従って人道的に扱われなければならないと表明した。

中世に建てられたモスクを破壊

ハマスはまた、ガザ地区最大のモスク「オマリ・モスク」をイスラエル軍が爆撃し、広範に破壊されたと表明。「凶悪で野蛮な犯罪」と非難した。

オマリ・モスクは中世に建てられたガザ地区最古のモスク。ハマスが運営するメディアが公表した画像には、壁や屋根が崩れ落ち、石造りのミナレット(塔)の下部に大きな亀裂が入っている様子が写っている。ガザ地区にいるロイターの記者は、画像に写っているミナレットがオマリ・モスクのものであると確認した。

この件に関してイスラエル軍報道官からコメントは得られていない。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

尹大統領の逮捕状発付、韓国地裁 本格捜査へ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中