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「一線を越えた」北朝鮮の挑発を中国が黙認する謎

Nuclear Rumblings

2023年11月29日(水)10時55分
イ・ミンヨン(韓国・淑明女子大学客員教授)

専門家らは、過去17年間に行われた6回の核実験で豊渓里周辺の地盤が大幅に緩み、放射性物質の漏出が増えた可能性があると指摘している。

より長期的な影響としては、北朝鮮の軍事的挑発によって北東アジアの緊張が高まることが、中国と国際社会が協力関係を築く上での障害になる恐れがある。

アメリカは北朝鮮のさらなる挑発を防ぐため、インド太平洋地域で中国・ロシア・北朝鮮連合に対抗する巨大な封じ込めネットワークを強化するだろう。


NATOのアジアへの拡大論が勢いを増し、米中の覇権争いが激化するなかで、経済成長に陰りが見える中国が孤立する可能性もある。

北朝鮮による挑発行為の影響は既に出始めている。韓国と北朝鮮は18年に、軍事境界線付近での敵対行為をやめることなどを定めた南北軍事合意を締結していた。

だが北朝鮮による軍事偵察衛星打ち上げの翌日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は一部の条項の効力を停止することを決定した。

さらに、北朝鮮の核の脅威を受けて韓国や日本で核武装を支持する声が高まり、「核ドミノ現象」が始まれば、最終的に中国は最悪の立場に置かれることになる。

中国政府は北朝鮮が既に越えてはならない一線を越えたことを認め、北朝鮮の軍事的脅威を抑えることに積極的になるべきだ。

©2023 The Diplomat

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