人手不足が叫ばれるエッセンシャルワーカーの、深刻な「悪」待遇
年収を労働時間で割った「時間給」にすることで、各職業の待遇の良し悪しが見えてくる。年収を、月の労働時間の12倍で割っている。このやり方で145の職業の時間給を算出し、高い順に並べたランキング表を作成した。その一部を示すと<表1>のようになる。
上位10位までは全て掲げたが、先ほど見た「四天王」の他、歯科医師や小・中学校教員がランクインしている。
それ以降はエッセンシャルワーカーを抽出しているが、保育士は97位、大型(トラック)運転手は106位、介護職員は116位、バス運転手は124位、タクシー運転手は129位という具合だ。いずれも人手不足が叫ばれている職業で、仕事の大変さもさることながら、待遇が悪いというのも人が集まらない原因となっているのは間違いない。介護職員の月収を6000円上げるそうだが、それでもここで取り上げた145の職業の平均月収(34万8000円)には遠く及びそうにない。
保育、介護、物流、建設......。こうしたエッセンシャルワークを持続可能にするためには、技術革新を待つ余地はあるが、何よりも担い手の待遇改善が急務だ。外国人労働者への依存率が高まっているが、「安いニッポン」にいつまでも来てくれるかどうかは定かでない。
<資料:厚労省『賃金構造基本統計』(2022年)>