<動画>ウクライナ軍ドローンが、「奪還」したドニプロ川東岸でロシア軍を蹂躙
Russian APCs Destroyed in Birds of Magyar Ambush: Video
ロシア兵の墓場? ドローンの餌食になっている装甲兵員輸送車(写真は6月23日、ワグネルの乱でロシア南部の街ロストフ・ナ・ドヌーに出てきたところ) REUTERS
<一度はロシアに奪われた東岸への渡河作戦を成功させ、拠点を築きつつあるウクライナ軍の姿とみられる>
ウクライナ軍が、攻撃型ドローンでロシアの複数の装甲兵員輸送車(APC)を破壊する様子を捉えたとする新たな動画が浮上した。戦火に引き裂かれたウクライナの中で、ロシアが併合を宣言したヘルソン州南部で撮影されたという。
<動画>ウクライナドローンの餌食になるロシアの装甲兵員輸送車
このXの動画は、YouTube画像の一部で、ウクライナ軍がロシア軍の複数のAPCを標的にしている。撮影場所は、ロシアが実効支配するドニプロ川東岸にあるクリンキー村の近くとされている。もしそうだとすれば、ウクライナ軍が今まさにロシアから奪還しようとしている戦場だ。
攻撃型ドローンを駆使する航空偵察部隊「マジャールの鳥」を率いるロベルト・ブロブディ(コールサイン「マジャール」)が10月29日にYouTubeに投稿した動画では、さらに多くのロシア軍車両が、ウクライナのドローンの餌食になっているように見える。
ウクライナが反転攻勢を開始して以降の数カ月、激戦地はおおむね、同国東部ドネツク州および南部ザポリージャ州に集中している。ロシアは2022年9月、ドネツクとザポリージャ、ルハンシク、ヘルソンの4州を公式に「併合」したが、ウクライナ南部および東部に位置するこれらの地域を完全に掌握しているわけではない。
なかでも最近になって注目が集まっているのがヘルソン州だ。アメリカのシンクタンク、戦争研究所(ISW)は10月28日付のレポートで、ドニプロ川東岸の河岸から約2キロのクリンキ村にウクライナ軍が「拠点を維持している」と述べた。ISWによれば、ウクライナ軍は10月中旬にロシア側が支配する東岸への渡河作戦を行った。難しいと言われた渡河が成功した上、対岸に拠点を築きつつあるようだ。
ウクライナ南部ではドニプロ川が、現在の戦闘の最前線だ。ロシア側は川の東側を支配しているが、それも2022年11月にここまで撤退させられた結果だ。
ウクライナ軍は、東岸地域に対する渡河作戦を複数回実施したと考えられている。ロシアが実効支配する村々に、より確実な足がかりを得ることを目指した行動だ。
10月20日付のニューヨーク・タイムズが伝えたところによると、ウクライナ軍が取り返したヘルソン市当局の広報を担当するオレクサンドル・トロコニコウは、ウクライナ軍部隊は、東岸に「海兵隊員などの兵員を上陸させるべく、絶え間なく努力を続けている」と述べたという。
ロシアの軍事ブロガーも、ウクライナが橋頭堡をドニプロ川東岸に築いたことを認めていると、戦争研究所は29日の報告で指摘していた。
(翻訳:ガリレオ)