ハマスに殺害された人質女性についてイスラエル大統領自らが語った凄惨なディテール
Shani Louk beheaded by Hamas, Israel says
人質解放を求める集会で掲げられたルークの写真(中央)(10月28日、テルアビブ) REUTERS/Ammar Awad
<遺族も言及していない殺害時の詳しい情報を、イスラエル大統領や同外務省が率先して語った>
<動画>ハマスの奇襲を受けた音楽フェス、車載カメラが捉えた攻撃、処刑、略奪
10月7日にイスラム組織ハマスに拉致されて人質になっていたとみられる、ドイツ系イスラエル人のシャニ・ルーク(22)について、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領は、ハマスに首を切り落とされて死亡したと述べた。
ハマスがイスラエルに奇襲攻撃を仕掛けてから約3週間、タトゥーアーティストであるルークの消息は分かっていなかった。彼女はガザ地区から近い砂漠で開催されていた野外音楽フェスティバルに参加しており、この会場を襲ったハマス戦闘員らに拉致されたうちの一人だと考えられている。
ソーシャルメディア上に出回っていた動画には、ハマスの戦闘員が乗るピックアップトラックの荷台に半裸で意識がない状態のまま乗せられて連れ回される女性の姿が映っており、家族はこの女性がルークだと確認した。動画の中の女性はうつ伏せで顔が見えなかったが、足に入ったタトゥーで本人と分かったという。
家族はイスラエル当局から、ルークが死亡したという連絡を受けたと言っている。彼女がいつ、どのように死亡したのか、家族は詳しい情報を明らかにしなかったが、ヘルツォグは、ルークが10月7日の奇襲攻撃の後に首を切り落とされて死亡したと述べた。本誌はヘルツォグのこの主張について、信ぴょう性を確認することはできなかった。
頭蓋骨の一部が発見された
ヘルツォグはドイツの日刊紙ビルトに対して、「シャニ・ニコル・ルークが殺害されて死亡したという情報が入った。とても残念だ。彼女の頭蓋骨が見つかった」と述べ、さらにこう続けた。
「イスラエル人を襲い、拷問して殺したあの野蛮でサディスティックな獣たちが、彼女の頭部を切り落としたことを意味している。とても悲惨な出来事であり、ご遺族には心よりお悔やみ申し上げる」
ヘルツォグはまた、「私たちがガザとイスラエルの境界地帯で目にしたことは、虐殺を遥かに超えた行為であり、まさに屠畜場だ。道路には血が流れていた。私たちは、想像し得る中で最も恐ろしい惨事を目の当たりにしている」とつけ加えた。
イスラエルの地元紙タイムズ・オブ・イスラエルは、ルークの家族がイスラエルの救助団体「ZAKA」からの手紙でシャニの死を知らされたと報じた。ZAKAの説明によれば、彼らは頭蓋底部の骨を発見。この部分の骨なくして生存は不可能であり、調べたところ骨はシャニ・ルークのものと特定されたということだ。本誌はこの情報の信ぴょう性を確認できていない。
家族はルークが発見された状況について明らかにしていないが、彼女が死亡したことは認めた。シャニの姉妹のアディはインスタグラムに、「悲しいことに、2023年10月7日にイスラエルの農業共同体キブツ・レイムのパーティー会場で起きた大虐殺に居合わせた姉妹のシャニ・ニコルが亡くなったことをお知らせします」と投稿した。