「台湾に侵攻すれば中国経済は崩壊する」──英クレバリー外相
China Risks Economic Collapse With Taiwan Invasion Plans—UK Official
宮古海峡を通り太平洋に向かう中国空母「遼寧」(2021) Joint Staff Office of the Defense Ministry of Japan/REUTERS
<台湾海峡を通じた巨額の交易が混乱すれば中国も世界も大打撃を受ける。イギリスは中国への経済依存を減らしつつあると、英外相は語った>
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イギリスのジェームズ・クレバリー外務大臣は10月2日、中国が台湾に対して軍事行動をとれば、中国経済はぼろぼろになるだろうと述べた。
イングランド北部のマンチェスターで開催された保守党の年次総会でクレバリーは、外務省は中国に対して現実的なアプローチを取っているので、両国の立場が相容れないものになった場合は経済よりも安全保障が優先されるだろうと語った。
クレバリーは今年8月、中国を訪問。英外相として5年ぶりの訪中に保守党の一部には批判の声もあったが、アメリカと同様イギリスも、中国に対する強硬路線を修正しようとしている最中だ。
クレバリーは、誤解や誤算を避けるために中国と関わる必要があることを強調したが、その理論的根拠は、アメリカのバイデン政権と同じだ。
「台湾海峡の混乱は、みんなの関心事だ」と、スペクテイター誌主催のサイドイベントでクレバリーは語った。
彼は台湾海峡を通る貿易の額が非常に大きいことを指摘し、台湾海峡での紛争は世界経済にダメージを与えるだけでなく、「中国経済を崩壊させ、他の多くの経済を巻き込むだろう」と述べた。
台湾周辺で軍事訓練
アメリカではアントニー・ブリンケン国務長官が1年前の講演で、台湾海峡を通る商用船舶の通行や台湾のハイエンド半導体の供給の問題を引き合いに出して、同じようなことを主張している。
中国政府は、一度も統治下に置いたことがない台湾を中国の正当な領土と主張し、武力行使で自国に引き入れることも辞さないと繰り返してきた。台湾は中国の主張をはねつけ、いかなる犠牲を払っても独立を守ると宣言している。
台湾に対する西側諸国の支持の高まりと時を同じくして、中国は台湾周辺の軍事活動を活発化させている。空母群を中心とする中国の空軍と海軍は9月、台湾の近海で数日間にわたる訓練を行った。
だがクレバリーは、世界第2位の経済大国である中国には不安定な状態で、亀裂が生じかけていると指摘。そのため、イギリスをはじめとする他の国々に以前よりも大きな影響がもたらされていると語った。最近行われた中国の王毅外相との会談で、イギリスとその同盟国は中国との貿易を減らす措置をとっていることを告げたという。
このメッセージが王毅とそのスタッフに衝撃を与えたことが手に取るようにわかった、とクレバリーは語った。