台湾初「国産潜水艦」がついに進水...中国への抑止力が「未知数」である理由とは?
進水式で披露された「海鯤」への期待は高いが CARLOS GARCIA RAWLINSーREUTERS
<「伝説の大魚」にちなんで命名された、台湾が初めて自主建造した潜水艦はアメリカや日本など十数カ国が協力したとみられる。中国に対する有用性はいかに?>
台湾が9月28日、初めて自主建造した潜水艦の進水式を行った。台湾周辺で中国が軍事活動を拡大するなか、「防衛の自律性」に向けた歴史的前進だと喧伝されている。
南部・高雄での進水式には蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が出席。計8隻の建造が予定される国産潜水艦の第1号を、伝説の大魚にちなんで「海鯤(かいこん)」と命名した。
潜水艦建造に当たっては、アメリカや日本など、十数カ国が協力したとみられている。
台湾は近年、中国の抑止を目的とする非対称戦略の下、防衛装備の国産能力を強化している。その一方、米政府は台湾に対して計数十億ドル規模の武器売却を決定している。
米政策専門家は「対艦・対空ミサイルなど、防衛力を強化する小型で威力の大きい兵器」を基盤とする非対称防衛戦略を採用するよう、台湾に促してきた。
ただ米シンクタンク、ランド研究所の政治学者レイモンド・クオによれば、潜水艦の有用性はより低い。中国が対潜戦能力を高め、移送プラットフォームの展開力を拡大しているためだ。