大国にもなびかないトルコ...独自外交の旧帝国は「グローバルサウスの一員」と言えるのか?
FIERCELY INDEPENDENT
トルコはウクライナ戦争で、ロシアとウクライナの双方に貸しをつくってある。西側のロシア制裁には加わらず、対ロシア禁輸品はトルコ経由でロシアに流れる。一方、ウクライナにはドローンを供与し、対ロ支援も続けている。こうして双方を相手に利益を上げ、「戦争のことではいつでも仲介する」と見えを切る。
中国やロシアのように口先でアメリカを罵り、軍事演習で威嚇したつもりになるような児戯をトルコはやらない。15年、領空に侵犯したロシア戦闘機を即座に撃墜し、ロシアは苦汁を飲まされた。
向かうところ敵なしの感さえあるエルドアン大統領だが、不安は自身の健康状態、若者の支持離れ、IMFの支援が必要なほど苦しい経済不振にある。それでも、持てる力をフルに使って国の威信を貫く姿。隣に大国がないからできるのだが、日本人としてはつくづく羨ましい。

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