特殊戦司令部の制服脱いだミス・コリア、韓国代表でアジア大会の金目指す ところでカバディって何?
ミス・コリアから特殊戦司令部の将校へ
さらに、ウ・ヒジュンは「国の役に立ちたい」というかねてからの願いを実現するため大学で予備役将校訓練課程を経て、卒業後は陸軍少尉に任官。2021年から第23歩兵師団飛龍旅団偵察中隊小隊長として服務、その後、陸軍特殊戦司令部国際平和支援団に所属した。2022年9月には通訳将校としてレバノンに派遣されるなどしたが、2023年5月初めに韓国に復帰後、6月30日中尉で除隊した。
除隊を希望した理由はもちろん、カバディのためだ。中国・杭州で開催されるアジア大会に向け完璧な準備をしたいと思っていたからだ。
ウ・ヒジュンは「2018年ジャカルタ-パレンバン大会のとき、父が警察の仲間とプラカードを作って、スマホ越しに応援してくれたことが今も鮮明に記憶に残っている。メダルを獲得できなかった結果には、私より父の方が悔しがっていました。今回のアジア大会では必ずメダルを獲得して、父の首にかけて上げたい」と話している。
ところでカバディって何?
カバディは鬼ごっこ、ドッジボール、格闘技を融合させたようなスポーツだ。攻撃手(レーダー)1人が守備陣地に侵入して相手をタッチした後、自陣に戻ればタッチした相手選手の数ほど点数を得る。タッチされた選手はアウトとなる。守備チームも攻撃制限時間30秒以内に相手のレーダーが自陣に戻ることはできないように防げば、レーダーをアウトさせることができる(1点)。男子部の試合は前・後半各20分、女子は各15分で勝負を決める。
カバディはインドの古代叙事詩「マハーバーラタ」でアビマニュ王子が敵軍7人に包囲されて戦死したという話にルーツをもつ競技だ。そのため1チームの出場選手が7人になっている。競技名の「カバディ」はヒンディー語で「息を我慢する」という意味だ。レーダーは、相手陣営でずっと「カバディ、カバディ、カバディ....」と声を上げなければならない。違反すれば相手に点数(1点)と攻撃権まで奪われる。
アジア大会では1990年北京大会から正式種目になった。韓国のカバディ国家代表チームは男子が2014年仁川大会で銅メダル、2018年ジャカルタ-パレンバン大会で銀メダルを獲得した。女子はまだアジア大会ではメダルを獲得したことがない。
アジア大会で金目指すもパリ五輪には......
アジア大会での金メダルを目指すウ・ヒジュンだが、さらに来年のパリ五輪は......。残念ながら彼女は出場できない。なぜならカバディはオリンピックに採用されていないからだ。インド発祥のカバディのほか、タイやマレーシアで盛んなセパタクローもオリンピックでは採用されていないアジア大会の正式種目だ。もっとも、近年オリンピック、アジア大会ともに競技の入れ替わりが進んでいるので、今後、競技人口が増えればカバディが五輪正式種目になる日が来るかもしれない。
なにはともあれ、中国・杭州でのアジア大会でカバディの試合は10月3日から始まる。ウ・ヒジュン選手の活躍に期待したい。