中・西部アフリカにクーデターの病が蔓延する理由
2023年9月5日(火)14時00分
クーデターを支持する市民たち REUTERS
<ガボンでクーデーターが発生、ボンゴ大統領を自宅軟禁。アフリカ中西部での政権転覆は増加傾向に>
西アフリカのガボンで8月30日、クーデーターが発生した。軍幹部は26日の大統領選の結果を取り消すとし、3選のボンゴ大統領を自宅軟禁。暫定大統領はブリス・オリギ・ンゲマ将軍だと発表した。
暫定政府は、ボンゴ政権の「無責任で不透明な統治」を非難。同国では2022年に石油輸出で約60億ドルの収入があったが人口の30%が貧困層で、若者の失業率は40%近い。
クーデターを祝い首都リーブルビルには数百人が集まったものの、欧米諸国には警戒が広がる。フランスはクーデーターを非難し、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「非常に憂慮すべき」と指摘。ロシアと中国も、この地域での暴力拡大の可能性に懸念を示した。
20年以降、アフリカ中西部でのクーデターによる政権転覆はこれで8カ国目。ナイジェリアのティヌブ大統領は、アフリカ大陸に「独裁政治の病」が広がっているとし、アフリカ諸国の指導者たちと連携して対応していくとした。