拡大BRICSが外相会合、貿易保護主義に懸念表明 米は名指しせず

ロシアや中国、インドなどの有力新興国で構成する「BRICS」は29日、ブラジルのリオデジャネイロで外相会合を開いた。共同声明の採択には至らなかったものの、議長国ブラジルは貿易保護主義に対抗する議長声明を発表した。4月29日、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた「BRICS」外相会合(2025年 ロイター/ Mauro Pimentel/Pool via REUTERS)
Lisandra Paraguassu
[リオデジャネイロ 29日 ロイター] - ロシアや中国、インドなどの有力新興国で構成する「BRICS」は29日、ブラジルのリオデジャネイロで外相会合を開いた。共同声明の採択には至らなかったものの、議長国ブラジルは貿易保護主義に対抗する議長声明を発表した。
声明は「世界経済の分断と多国間主義の弱体化の可能性に対する深刻な懸念」を表明。無差別な相互関税引き上げや非関税措置を含む、世界貿易機関(WTO)のルールに整合しない一方的な保護主義措置の台頭に深刻な懸念を表明した。
ただ、声明で米国を名指しすることはしなかった。
ブラジルのビエイラ外相は記者団に対し、声明に盛り込まれた通りBRICS外相は関税問題について合意に達したと言及。7月にリオデジャネイロで開かれるBRICS首脳会議で共同声明を採択できるよう取り組んでいると述べた。
BRICSには当初からのブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国に加え、エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、エチオピア、インドネシア、イランが新たに加盟した。