仏マクロン、ニジェール駐留軍の年内撤収を表明 アフリカでの影響力、ロシアが拡大するか
フランスのマクロン大統領は9月24日、7月にクーデターが起きた西アフリカのニジェールから駐留軍を撤収すると発表した。写真は仏軍拠点前で「フランスはもう要らない」と書いた紙などを持って抗議活動を行う人々。8月30日、首都ニアメーで撮影(2023年 ロイター/Mahamadou Hamidou)
フランスのマクロン大統領は24日、7月にクーデターが起きた西アフリカのニジェールから駐留軍を撤収すると発表した。サハラ砂漠南部のサヘル地域におけるフランスの影響力やイスラム過激派対策にとって大きな打撃となる。
フランスのテレビ局とのインタビューでマクロン氏は、駐留兵士1500人を年内に撤退させるとし、軍事政権の人質にはならないと強調した。
ニジェールの首都ニアメーではクーデター後、旧宗主国であるフランスの軍撤収を要求するデモが繰り返し行われてきた。フランスの撤退によって、アフリカにおけるロシアの影響力拡大に対する西側諸国の懸念が強まるとみられる。
マクロン氏は軍政を正当な政権と認めることを拒否してきたが、仏軍の撤収は軍政の意見も聞いて進める考えを示した。
また、同国駐在の大使も直ちに帰国させると述べた。
クーデターが起きるまで、ニジェールはフランスと米国にとって安全保障上の重要なパートナー国で、サヘル地域における過激派組織「イスラム国」(IS)対策の拠点だった。