米議会対立で政府閉鎖5日後に迫る 上院は手続き上のハードルクリア
米上院は5日後に迫る政府機関閉鎖を回避するため、超党派の法案を一歩前進させた。一方、下院は野党共和党のみが支持する法案の前進を試みた。写真はマッカーシー下院議長。ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Leah Millis
米上院は26日、5日後に迫る政府機関閉鎖を回避するための超党派の法案を一歩前進させた。一方、下院は野党共和党のみが支持する法案の前進を試みた。
上院は法案の審議開始に向けた手続き上の採決を実施。77対19でクリアした。この法案は11月17日までの政府予算を確保し、国内の災害対応への約60億ドル、ウクライナ支援向けの約60億ドルが含まれる。
しかし、共和党が多数派の下院は、民主党主導の上院で支持を得られそうにない独自の党派的アプローチを進める意向。
下院は26日、保守派の優先事項を反映した4本の歳出法案を前進させるため手続き上の採決を実施した。これらの法案が成立する見込みはないが、成立したとしても政府資金の一部を手当するもので閉鎖回避にはつながらない。
両院の分裂で、連邦政府が過去10年で4回目の閉鎖に至る可能性が高まっている。
上院は連邦政府予算を現行水準で短期延長する超党派法案を可決するため、民主党トップのシューマー院内総務と共和党トップのマコネル院内総務が協力した。
マッカーシー下院議長も26日、政府資金を一時的に手当てする法案について共和党の承認を求めると記者団に述べたが、厳しい国境・移民規制を盛り込む意向で、法案成立に十分な民主党の支持を得られる見込みは下院でも上院でもない。
バイデン大統領とマッカーシー氏は5月、2024会計年度の裁量的経費を1兆5900億ドルとすることで合意した。しかし、下院共和党の保守強硬派はさらに1200億ドルの削減を求めている。
ホワイトハウスは26日、共和党に合意を尊重するよう要請。ジャンピエール報道官は「下院共和党は上院と共に仕事をし、国民生活と政治的駆け引きをするのをやめ、3分の2が5月に賛成票を投じた超党派の合意を守るべきだ」と述べた。