最新記事
韓国

韓国、日本の弁護士を名乗る爆破予告相次ぐ...真相は? 

2023年8月23日(水)16時18分
佐々木和義

3通目、広範囲な爆破予告

13日、3通目の爆破予告メールが報道機関等に送られた。「ソウル市庁舎内の数か所に爆弾を設置した。8月15日午後3時34分に市庁を爆破する」と英語、日本語、韓国語で書かれていたという。8月15日は日本統治が終わったことを記念する光復節で、複数のデモが予定されていた。警察が市庁内を捜索したが、爆発物と疑われる物は見つからなかった。

4度目のメールは16日だ。予告された爆破対象はソウル市庁に加えて、釜山、大邱、水原、華城の各市庁舎と大検察庁、ソウル大学、延世大学、高麗大学、浦項工科大学など広範囲に及んでいた。2億7000万個の爆弾が17日と18日に爆発すると書かれてあった。

警察は通報を受ける都度、予告場所に出動して市民を避難させ捜索するが疑わしい物は見つかっていない。

実在する日本の弁護士を名乗っていた

4回5通のメールはいずれも発信アドレスは「jp」で、実在する日本の弁護士を名乗っていたという。

名前を使われた弁護士が所属する第一東京弁護士会は、法律事務所を詐称して爆破予告メール送り、金銭を要求する事例が発生していると注意を促し、弁護士も9日、「私の名前が許諾なく利用されているようだが、日本ではこうした種類の犯罪を取り締まりできないケースがある」とSNSに投稿した。

韓国警察は、メールが日本国内のIPアドレスから送られていることを突き止めて、日本の警視庁に捜査協力を要請した。併せて法務部を経由する刑事司法協力手続きに着手した。

日本警察は積極的に協力をするという反応を見せたが、警察幹部は「該当アカウントを所有する内部の犯行か、外部の人物がアカウントを乗っ取ったのかあらゆる可能性を念頭に捜査中だが、犯人が韓国人か日本人かも不明確な状況」と話している。犯人の特定は難しいとみられている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 3
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中