ウクライナ軍の捕虜になったロシア軍少佐...取り調べで暴露した「大損失」
'Missing' Russian Major Tomov Captured by Ukraine, Reveals Heavy Losses
ウクライナ軍に拘束されたと報じられていたロシア軍司令官 @NOELreports-X
<行方不明になっていた少佐がウクライナ侵攻について「自分は間違っていた」と語る動画がテレグラム上で共有された>
ウクライナ軍に拘束されたと報じられていたロシア軍司令官の動画が8月13日にインターネット上に投稿され、注目を集めている。この人物は取り調べを撮影した動画の中で、指揮下にある大隊が被った大きな損失について語っている。
【動画】【字幕】ウクライナ軍の捕虜になったロシア軍少佐の取り調べ動画
動画の中の人物は、ロシア軍第1822大隊の司令官を務めるユーリ・トモフ少佐と名乗っており、ウクライナ軍が先週実施した攻撃作戦の際に、ロシア軍の支配下にあるウクライナ南部のドニプロ川東岸地域で行方が分からなくなったと報じられていた。この地域は2022年2月にロシア軍がウクライナに本格侵攻を開始した当初から、ロシア軍が占領している。
14分間に及ぶこの取り調べ動画は、ウクライナの「ニコラエフスキー・バニョク」というテレグラムのチャンネル(購読者数は120万人)が公開したものだ。同チャンネルは投稿の中で、トモフがロシア軍の受けた損失や、ロシア軍による戦争の見通し、兵士たちの訓練不足などについて語ったと述べている。
本誌は動画の信ぴょう性について独自に検証できておらず、14日にロシア国防省にメールでコメントを求めたが返答はなかった。拘束された戦争捕虜たちが偽のビデオメッセージ収録に利用されている可能性を懸念する声もある。
「うつ状態に陥り任務の実行を拒む」兵士たち
動画の中でトモフは自分について、2022年9月にロシアのウラジーミル・プーチンが発令した部分動員令に基づいて徴兵され、同年10月15日からウクライナに配備されていると語った。司令官に任命される前は、第1822大隊の参謀長を務めていたとつけ加えた。
またトモフは、自分が指揮する部隊がこれまでに失った兵士は、全体の約30%にのぼる可能性が高いと述べた。彼によれば、ロシア軍の兵士たちは短期間でうつ状態に陥り、自らに割り当てられた任務の実行を拒んだという。「そのような要員ばかりでは、戦闘活動の実行は不可能だ」とトモフは述べた。
さらに彼は、ウクライナ軍に身柄を拘束される前は、ウクライナ軍について「ナチス」で「ファシスト的な考え方」を支持している者たちだと考えていたと述べ、プーチンやロシア政府のプロパガンダによって押しつけられたこの論調を自身の部隊にも伝えていたと語った。だがその後、自分の考えが間違いだったこと、全てが自分の想像とは違っていたことに気づいたと明かし、「ウクライナで拘束された後にこの結論に至った。私は実際にウクライナの人々に会い、彼らと話をした」と述べた。