ハワイ・マウイ島山火事、死者が96人・行方不明者なお多数 原因は電力会社の送電設備か
米ハワイ州マウイ島で8日に発生した大規模な森林火災で、死者が96人に達し、いまだに数百人が行方不明となっている中、特に深刻な被害が出た主要観光地のラハイナでは14日も捜索活動が続けられている。写真はラハイナで9日撮影。提供写真(2023年 ロイター/Dustin Johnson/Handout via REUTERS)
米ハワイ州マウイ島で8日に発生した大規模な森林火災で、死者が96人に達し、いまだに数百人が行方不明となっている中、特に深刻な被害が出た主要観光地のラハイナでは14日も捜索活動が続けられている。
グリーン州知事はソーシャルメディアに投稿したビデオで、少なくとも2200棟の建物が焼失し、その86%が住宅だったと指摘。
「96人の犠牲者が確認された。まだ増えるだろう。胸が張り裂けるようだ」などと語った。
今回の山火事はハワイ州で史上最悪の自然災害であり、96人という死者数は、1918年にミネソタ州のクロケット火災で453人が亡くなって以来、米国の山火事による死者数としては最多。
気象局の警告を無視した電力会社に原因?
米電力会社ハワイアン・エレクトリック・インダストリーズの株価が14日、一時約40%急落し、2010年2月以来13年ぶり安値に沈んだ。ハワイ州マウイ島で8日発生した大規模森林火災の原因が、同社の送電設備と関連している可能性があるという懸念が広がっている。
火災の原因はなお調査中だが、米紙ワシントン・ポストは週末、火災が発生する数日前、強風が危険な状況を引き起こすリスクがあるという警告があったにもかかわらず、ハワイアン・エレクトリックが十分な安全対策を怠っていた可能性があると報じた。
また、火災で壊滅的な被害を受けたラハイナの住民は集団訴訟案の中で、強風で送電線が吹き飛ばされ、山火事が急速に広がる可能性があるという国立気象局の警告にもかかわらず、送電を停止しなかったハワイアン・エレクトリックに非があると主張している。