プーチンは国内の反乱再燃が怖くて攻撃できなくなっている──ウクライナ高官
Putin Rebellions Threaten Russia Defense Against Cunteroffensive: Ukraine
攻めあぐねるプーチン Sergei Bobylyov/TASS Host Photo Agency/REUTERS
<ウクライナ軍の反転攻勢に対してプーチンは再攻撃を望んでいるが、国内で盛り上がるプーチン批判への対応に追われて身動きできない状態だと、ウクライナのダニロフ国家安全保障・国防会議書記はツイートした>
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ウクライナの政府高官は8月1日、ウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア国内の反政府デモの広がりを恐れるあまり、ウクライナに対する再攻撃に踏み出せずにいるかもしれない、という認識を示した。
ウクライナのオレクシー・ダニロフ国家安全保障・国防会議書記は1日、ロシア政府が2022年2月に開始したウクライナ侵攻に「不満」をいだくロシア国民の抗議に直面する可能性があると、ツイッターで警告した。
The current situation for the kremlin is such that the unrealized desire for a second offensive on Kyiv will be overshadowed by the urgent need to prepare to meet a second march on moscow. And this event is not too far off in time. The paste squeezed out of the tube - the growth...
— Oleksiy Danilov (@OleksiyDanilov) August 1, 2023
プーチンは当初、この「特別軍事作戦」が迅速な勝利をもたらすことを期待していた。だが、同盟国からの数十億ドルの援助によって強化されたウクライナの予想以上に強力な抵抗によって、ロシア軍の目標達成は妨げられている。
ここ数週間、ウクライナは現在ロシア軍に占領されている地域の奪還をめざして反攻を開始、すでに、占領されていた領土の大部分を取り戻している。ロシアでは、軍幹部の戦争への対応に対する批判も出ている。
こうした批判の声は、ウクライナでロシア軍とともに戦った民間軍事会社ワグネル・グループが6月に起こした反乱未遂事件で頂点に達した。反乱は最終的に失敗し、ワグネルの部隊はベラルーシに追放されたが、この事件は、開戦以来最も直接的なプーチンの権力に対する脅威となった。
反プーチンデモの脅威
ダニロフによれば、ロシア政府はその指導力に対する批判を将来的な脅威と感じており、それがロシア軍のキーウに対する第二次攻撃の実施を妨げている可能性があるとウクライナ当局は考えている。
「ロシア政府の現状は、さらなる反政府デモに対応する準備を急ぐ必要があるため、キーウに再度攻撃をかけたい気持ちはあっても、二の足を踏んでいるというところだ」と、彼は書いている。
ロシア政府はこれまでのところ、こうした指摘を認めていない。
昨年、ウクライナ侵攻を開始したロシアはまず首都キーウの制圧を試み、市の郊外で破壊行為を繰り広げ、民間人に対する人権侵害でおおいに非難された。だが首都制圧の試みは失敗に終わり、戦闘は現在もウクライナの最東部に集中している。
ダニロフは、ロシア政府に対するさらなる抗議行動が「そう遠くない時期に起こる」可能性を示唆した。ただし、これは第三者によって検証された話ではない。
「ペーストはチューブから絞り出された」と、ダニロフはツイートした。「様々な不満を持つ人々による抗議行動がロシア各地で拡大している。ペーストは、いったんチューブからしぼり出したら元に戻すことはできない」
この発言は、2014年にプーチンがウクライナから併合したクリミア半島の親ウクライナ派住民と、半島に駐留するロシア軍との対立が「高まっている」というウクライナ国防省情報総局(GUR)の報告に基づいている。