最新記事
北朝鮮

プーチンの巨大な肖像写真を飾る、金正恩...「2人の独裁者」の「急接近」が意味することとは?

2023年8月1日(火)20時11分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
セルゲイ・ショイグ国防相と金正恩総書記

2023年7月28日 平壌にてセルゲイ・ショイグ国防相と金正恩総書記 KCNA KCNA-REUTERS

<プーチン大統領の書簡を持って訪朝し、国賓として最大のおもてなしを受けたセルゲイ・ショイグ国防相。北朝鮮とロシアの接近をどう見るべきか>

1953年7月27日の朝鮮戦争休戦協定調印70周年を祝うため、プーチン大統領の書簡をたずさえて3日間の日程で訪朝したセルゲイ・ショイグ国防相。

その際、複数の部屋にプーチン大統領の大きな肖像画が掲げられていたことが海外メディアの注目を集めた。

■【写真】壁にびっしり、プーチン大統領の巨大写真
■【写真】プーチンが小顔すぎなのか? 横並びの金正恩とプーチン

 
 
 
 

北朝鮮が金日成、金正日父子の肖像画や巨大な銅像を掲げて個人崇拝していることは有名だが、他国の首脳の巨大な写真を複数の部屋に大量に掲げることは珍しい。

それをプーチン大統領が喜んでいるかは不明だが、北朝鮮を利用しようとしていることは明らかである。実際、ショイグ国防相は平壌に到着する前に、今回の訪朝がロシアと北朝鮮の軍事的な結びつきの強化に役立つという声明を出している。

また、北朝鮮側もショイグ国防相の訪問に際して、初公開した無人攻撃機(ドローン)だけでなく、国連安保理決議に違反する核兵器の搭載可能な大陸間ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)17号」と固体燃料式新型ICBM「火星18号」を金正恩総書記自らが案内したとロイター通信など複数メディアが報じている。

かつて朝鮮半島の非核化を支持していたロシアがいまや北朝鮮を「戦略的パートナー」にする。そして、ウクライナへの不当な軍事侵攻について、金正恩総書記からの支持をロシアが今回取り付けることに成功したと米カーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ上級研究員は述べる。

北朝鮮はロシアへの武器の供与を認めていない。しかし、ウクライナ軍がロシア軍から押収した兵器の中に80~90年代に作られた北朝鮮製兵器が含まれていたことが確認されてばかりだ。これが意味することは何か。


試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中