最新記事
災害

中国河北省で100万人近く避難 北京守るため「保水地区」へ放流、ネットに渦巻く怒りの声

2023年8月7日(月)12時12分
ロイター
ゴムボートで救助される人々

中国河北省では7月下旬からの豪雨により、100万人近くが避難を余儀なくされた。タク州市の浸水現場で3日撮影(2023年 ロイター/Tingshu Wang)

中国河北省では7月下旬からの豪雨により、100万人近くが避難を余儀なくされた。あふれかえった河川の水を多くの住民が暮らしている幾つかの「保水地区」に誘導せざるを得なくなったからだが、首都北京を守るためのこうした措置の犠牲になって家を失った人々がインターネットで怒りの声を上げている。

豪雨で氾濫したのは海河。流域面積は河北省の大部分と北京市、天津市など、ポーランドに匹敵する広大さがあり、特に河北省では洪水被害が大きい。

中国の法律では、大規模洪水で貯水ダムの容量オーバーとなった場合、一時的に指定された低地の保水地区に水を放流することが定められている。

こうした中で7月31日に河北省は13の保水地区のうち7カ所に水を放流。対象にはタク州市や、習近平国家主席が打ち出した国家プロジェクトの一環として設置された雄安新区なども含まれた。

河北省共産党トップは8月1日、北京の洪水対策を巡る重圧を和らげる上で、これらの措置が必要だと強調した。

ただネットには、自分の住んでいた場所が保水地区に指定され、いざという場合に犠牲にされるとは知らなかったとの投稿も寄せられている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

税制
日本のモデルは「合理的」。安定財源として期待される「たばこ税」はどうあるべきか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

共和党系11州が米資産運用大手3社提訴 電気料金つ

ワールド

イラン、レバノン停戦を歓迎 イスラエルの空爆には反

ビジネス

米国株式市場=反落、インフレ指標受けテクノロジー株

ビジネス

NY外為市場=ドル幅広く下落、祝日前にポジション調
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 3
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウクライナ無人機攻撃の標的に 「巨大な炎」が撮影される
  • 4
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    「健康寿命」を2歳伸ばす...日本生命が7万人の全役員…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    未婚化・少子化の裏で進行する、「持てる者」と「持…
  • 9
    トランプ関税より怖い中国の過剰生産問題
  • 10
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中