大物セレブも続々...作風真逆の映画『バービー』と『オッペンハイマー』のはしご鑑賞が北米でなぜか大流行

NYタイムズスクエアに出された『バービー』の宣伝(左)と『オッペンハイマー』のオリジナルポスター From Left:rblfmr-Shutterstock, Stefano Chiacchiarini '74-Shutterstock
<本来なら観客層が重なるはずのない映画『バービー』と『オッペンハイマー』だが、同日公開されたことではしご鑑賞する客が続出。ネット上にはコラージュ画像が溢れ、カラフルなキノコ雲のミームまで出回っている>
【写真】キノコ雲のミームも...ネットを賑わす『バービー』と『オッペンハイマー』コラージュの数々
全米脚本家組合(WGA)と全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のWストライキが暗い影を落とすハリウッドで今、バービー人形と"原爆の父"オッペンハイマー旋風が吹き荒れている。
7月21日に同日公開されたマテル社の世界的人気玩具を実写映画化した『バービー』(8月11日日本公開)と第二次世界大戦を背景に原子爆弾開発に携わった物理学者ロバート・オッペンハイマーを描いたクリストファー・ノーラン監督の最新作『オッペンハイマー』(日本公開未定)という、まったく作風の異なる2作品が、映画館を席巻。老若男女問わず幅広い年齢層が押し寄せ、バーベンハイマー(Barbie+Oppenheimer=Barbenheimer)」という言葉が生まれるなど、社会現象化している。
はしご鑑賞する観客続出
本来なら観客層が重ならないはずの2作品だが、『キル・ビル』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などで知られるクエンティン・タランティーノ監督やエミリー・シューマーらセレブも2本立て続けに観るなど、はしご鑑賞する観客が続出。「バービーコア」と呼ばれる全身ピンクの観客と全身黒のオッペンハイマーファンがコスプレを披露するお祭り騒ぎで、セレブやネットを巻き込む一大ムーブメントとなっている。
『バービー』は週末に今年最高の北米オープニングとなる1億6200万ドルを稼ぎ出し、『オッペンハイマー』もそれに次ぐ8245万ドルと好スタートを切った。軍配が上がったのはバービーだが、相乗効果で両作品とも今夏最大のヒット作になると予想されたトム・クルーズの最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』やハリソン・フォードが15年ぶりにインディを演じた『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を超える興行を記録。ノーラン監督にとっても『ダークナイト』シリーズに次ぐヒットとなった。
ハリウッドを救う予想外の快挙
カラフルなビジュアルからも分かるように『バービー』のターゲットは若い女性で、かたや上映時間が3時間に及ぶ伝記映画『オッペンハイマー』は家族連れが多い夏の大作映画シーズンには似つかわしくないシリアスな内容。
しかし、そんな正反対とも言える作品を直接対決させた戦略は大当たりし、ピンクのシャツやパンツ姿の男性が『バービー』を楽しみ、若い女性が『オッペンハイマー』を鑑賞するというこれまでにない現象も起きている。
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