ゼレンスキーが欧米の援助金で「私腹を肥やした」は嘘?本当? 「豪華プールつき大邸宅」写真を検証
Fact Check: Does Zelensky Live in $5.5M Mansion With Infinity Pool?
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(2022年10月) Ukrainian Presidential Press Service/Handout via REUTERS
<ゼレンスキー大統領が援助金を不正に使って白亜の豪邸を所有していると「物件写真」を投稿する人々の主張は正しいのか?>
ロシアの侵攻に激しく抵抗し、現在は欧米諸国からの支援を得て反転攻勢に出ているウクライナ。そのトップとして国民を鼓舞し続けるウォロディミル・ゼレンスキー大統領だが、そんな彼が欧米からの支援で「私腹を肥やしている」という根拠不明の主張が一部で盛り上がっている。最近では彼が所有する物件だとして白亜の豪邸の写真が投稿され、注目を集めている。果たしてこれらの写真や主張は信用できるものなのか、検証を行った。
■【画像】ゼレンスキーの自宅だとしてネットに投稿された「白亜の豪邸」...その真相は?
ゼレンスキーが政権トップの座に上り詰めたのは、この国で2015年に放送された『国民の僕(しもべ)』というドラマがきっかけだ。ゼレンスキーが演じた主人公は、もともと教師だったが、ウクライナ政権の汚職を批判するところを隠し撮りされて投稿された動画が話題をさらい、最終的には大統領になるという役柄だった。
人生は芸術を模倣する。登場人物たちがロシア語を話していたこの人気ドラマは、政治家たちの腐敗にうんざりしていたウクライナ国民の心に響き、ゼレンスキーは2019年、本物のウクライナ大統領になった。
しかし、ゼレンスキーは最近、根拠のない批判にさらされている。自身のドラマが容赦なくあざ笑ったような不正行為を、ゼレンスキー自らが働いているとする糾弾があとを絶たないのだ。
ロシアの侵略と戦うウクライナを西側諸国は援助しているが、こうした援助金がゼレンスキー個人によって不正に使われ、アメリカやイタリア、イギリス、最近ではフランスにまたがる不動産ポートフォリオの構築に使われている、というのだ。
たとえば、「陰謀論者」を自称するツイッターアカウント、リズ・チャーチルは、27万3000人にのぼる自らのフォロワーたちに向けて、ある物件の画像を共有した。まるでドラマで使われるような、緑豊かな丘にたたずむ豪邸の画像だ。
「これがゼレンスキーの自宅写真だ」と主張
チャーチルは、所有権に関する証拠を提示することもなく、こう書いている。「アメリカは、ウクライナに対する13億ドル規模の追加支援を発表したばかり。思い出してほしい...これがゼレンスキーの自宅の写真だ(笑)」
チャーチルはさらに、こう続けた。「夢のような邸宅の購入に協力してくれた貧しい個人や家族全員に礼状を書くよう、彼に求めるのは酷だろうか?」
しかしSNSでは、このチャーチルの主張をあざ笑う声がすぐに上がった。この画像の物件が、実際はフランスの不動産サイトで売りに出されているものであると指摘し、ゼレンスキーの所有物ではないと反論したのだ。