オランダ連立政権が難民流入制限巡る対立で崩壊 秋の総選挙までルッテ首相が暫定政権
オランダのルッテ首相(写真)が率いる連立政権は、難民流入制限を巡る与党内の意見対立が修復不可能となったために崩壊した。写真はアムステルダムで4月撮影(2023年 ロイター/Piroschka van de Wouw)
オランダのルッテ首相が率いる連立政権は7日、難民流入制限を巡る与党内の意見対立が修復不可能となったために崩壊した。秋にも総選挙が実施されるとみられる。
ルッテ氏が属する自由民主国民党(VVD)が、戦争を逃れて既にオランダに滞在している難民の子どもたちの入国を抑制する措置を新たに提案したが、キリスト教民主同盟と民主D66の2党が支持を拒否したことがきっかけだ。
ルッテ氏は「難民政策で連立与党間の見解がそろわなくなったのは明らかだ。残念ながらわれわれは本日、この違いが克服できない事態になったと結論付けざるを得ない。このため私は国王に内閣総辞職を伝える」と述べた。
地元メディアがオランダの選挙委員会の話として伝えたところでは、11月半ばまでには総選挙が行われる見通し。それまでルッテ氏が暫定政権を運営していく。
暫定政権になれば新しい政策を打ち出すことはできない。ただルッテ氏はオランダのウクライナ支援に影響はないと説明した。
オランダは既に欧州で最も難民受け入れ基準が厳しい国の1つだが、連立政権内の右派勢力からの突き上げを受けたルッテ氏は、さらに難民希望者の流入を絞り込む手段を模索していた。