札束、金塊、意外なコレクション、悪趣味な写真...「ワグネル」プリゴジン邸の写真に写っていたもの
エフゲニー・プリゴジン(2023年4月) Yulia Morozova-Reuters
<露メディアが、ワグネルの創設者プリゴジンの邸宅内の様子を公開。超豪華な自宅内からは、怪しげな「コレクション」も見つかった>
ロシアの政権寄り大手紙イズベスチヤは7月5日、エフゲニー・プリゴジンが所有するとされる邸宅の写真と動画を公開した。プリゴジンは、民間軍事会社ワグネルの創設者であり、6月の「反乱」後に隣国ベラルーシへと亡命している。動画や写真には邸宅内に貯めこまれていたという大量の現金などのほか、室内の「異様」な光景も写し出されていた。
■【写真】札束、金塊、意外なコレクション、悪趣味な写真...プリゴジン邸で撮影されたもの
確認できるのは、大量の武器や金塊など。さらには「かつら」や巨大なハンマーまであった。ハンマーは、「交渉ごと」に使うつもりだったと見られている。ほかにも「切断した頭部を並べて撮影した写真」というおぞましいものも室内に飾られていたという。
さらにイズベスチヤが公開した写真からは、邸宅内の豪華な様子も見ることができる。室内には礼拝室や屋内プール、サウナ、ジム、医務室があるほか、広大な敷地内にはヘリポートまである。
プリゴジンが所有するというこの邸宅の写真や動画は、ロシア当局による捜査時に撮影されたものだ。捜査がおこなわれた正確な日付は不明だが、写真と動画を入手したのは7月5日だったと、イズベスチヤは述べている。
邸宅の捜査が行われたのは、プリゴジンがロシア政府に反旗を翻した後と見られる。プリゴジン率いるワグネルは、6月23日に武装蜂起した。目的は、セルゲイ・ショイグ国防相とワレリー・ゲラシモフ参謀総長を追い落とすことだ。当時、ウクライナにあったワグネルの宿営地がロシア軍による爆撃を受け、傭兵たちが死亡したとプリゴジンは非難していた。
プリゴジンは、反乱に先駆けてテレグラムに動画を投稿し、「ロシア軍指導部による悪を阻止しなければならない」と述べていた。「ロシア軍の正義は回復されるだろう。そうすれば、ロシア全体の正義も回復する」
ワグネルはその後、ウクライナとの国境に近いロストフ州のロストフ・ナ・ドヌと、それよりモスクワに近いヴォロネジ州にあるロシア軍の主要施設を制圧した。
しかし、ベラルーシ大統領アレクサンドル・ルカシェンコが仲介した取り決めで、プリゴジンは6月24日夜、モスクワへ進軍していた反乱部隊の停止を発表。取り決めでは、プリゴジンがベラルーシに出国するという条件付きで、ロシアのプーチン大統領がプリゴジンを反乱罪などに一切問わないことに合意した。
こうした取り決めがあったにもかかわらず、プリゴジンが7月4日、サンクトペテルブルクにあるロシアの連邦保安局(FSB)事務所に姿を現したと報道されている。FSBでプリゴジンは、反乱後の捜査で押収されていた武器の返還を受けた。ロシア製のライフル「サイガ」2丁や、オーストリアのライフル「マンリッヒャー」などの銃器類だ。
地元報道機関フォンタンカの記事によれば、FSBはプリゴジンに対し、先の捜査で押収した100億ルーブル(およそ158億円)も返還したようだ。
(翻訳:ガリレオ)