ロシア軍にもウクライナ軍にも加わる、ネパール「グルカ兵」...「イデオロギーとは無関係」な3つの理由とは?
ネパールとフランスの間に正式な協定はないが、少なくとも数千人の若者がフランス軍の外人部隊に加わっているとみられる。アメリカでも、ネパールは市民権取得の近道として米軍入隊を希望する移民が多い国の1つだ。
つまり、ネパールの若者たちはウクライナでの戦争に特別な何かを感じて参加したわけではない。彼らは以前から外国軍への入隊に意欲を示してきた。主な理由は3つある。
第1に、ネパールには長い戦いの歴史があり、武勇に対する誇りが国民精神の一部となっていること。現代のネパールは、300以上の小王国の軍事征服を通じて形成された。国内での戦闘に加え、1791年にはチベットと清の連合軍と戦ったこともある。
第2に、ネパールの若者は1815年以降、グルカ兵としてイギリスのほぼ全ての戦争に参戦している。独立後のインドでも同様だ。こうした伝統から、現代の若者も兵士として外国で戦うという選択肢を思い付きやすい。
そしてネパールの若者には、国内に十分な就業機会がない。失業や低賃金、そしてネパール軍に人員の空きがないことも、若者たちを外国軍に入隊させる要因の1つだ。
彼らは尊敬と高い報酬が得られるなら、イデオロギーとは無関係にどの国の軍隊にも加わる意思があるようだ。ウクライナ軍とロシア軍の両方でネパールの若者が戦っているのはそのためだ。
From thediplomat.com