「ザルすぎる」アメリカの対中制裁──米連邦政府職員の年金を「制裁対象」中国企業が運用している
THE CHINA LOOPHOLE
人権活動家のビケットに言わせれば、ESG(環境・社会・企業統治)重視を掲げて倫理的にビジネスを行うと約束していながら、中国とビジネスを行っている企業は二枚舌という批判を免れない。
中には、中国企業の株式を投資の対象から除外しているファンドもあるが(実はブラックロックもそのようなファンドを運営している)、TSPではそうした投資信託を選ぶことができない。
バイデン政権内の路線対立
アメリカと中国の間の緊張が高まるなかで、ドナルド・トランプ前米大統領は退任前に大統領令を発し、国防総省が中国軍の所有もしくは中国軍の支配下にあると認定した企業への投資を取りやめることをアメリカの投資家に求めた。
この大統領令の狙いは、国防総省に中国軍系企業のリストを作成させ、財務省にそれらの企業をSDNリストに載せさせることにあった。しかし、財務省はSDNリストとは別のリストを作り、それらの企業をより緩やかな制裁の対象にとどめた。
一方、ジョー・バイデン米大統領は、トランプの大統領令に代わる新しい大統領令を発したが、制裁対象の中国企業をSDNリストに載せることを明確に求めてはいない。
バイデン政権が中国の脅威に対処する姿勢を全く見せていないわけではない。先端半導体技術の対中輸出規制などの措置も打ち出している。
しかし、バイデン政権は発足以来、中国への投資に関して2つの方向に引き裂かれている。政権内には、米中の緊張が高まって両国の経済に悪影響が及ぶことを恐れる人たちがいる。
「アメリカは、中国のデカップリング(切り離し)や中国経済の成長抑制を目指すつもりはないと、明確に示すべきだ」と、ジェイ・シャンボー財務次官(国際問題担当)は4月に語っている。
それに対し、中国への投資をやめるのは早ければ早いほど好ましいと主張する人たちもいる。少なくとも、アメリカ政府の制裁リストに載っている企業への投資は阻止するべきだというのだ。
キロ・アルファ・ストラテジーズ代表のケリー・カリーは、こう問いかける。
「アメリカの国家安全保障関連の機関が総力を挙げて、急速に強まりつつある中国の脅威に対処しようとしているというのに、連邦政府職員の年金運用を担う連邦政府機関がどうして、問題のある中国企業と関わりを持つことに無頓着でいられるのか」
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